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【編集部「ラ」的雑記帳/リオ編?】メダルが見えた。故郷のスターたちと激突

2016.08.12
陽気な好漢、副島亀里ララボウ ラティアナラ(撮影/高塩隆)
 4強進出ですっかりデオドロスタジアムの主役になった男子セブンズ日本代表。最終日の8月11日、リオデジャネイロは少し雲が多いものの上々の天気。グラウンドコンディションも良く、ジャパンは走り回れるはず。
 各選手がそれぞれの責任を果たして結果を出し続けているチームの中で、副島亀里ララボウ ラティアナラも好調だ。セミファイナルでは生まれ故郷、フィジーの選手たちと戦う。
 日本人の奥さん(彩さん)と結婚し、佐賀に住む副島は、すっかり日本人気質になりつつあると聞く。歯を磨いたり、顔を洗ったりするように毎日トレーニングするようになったし、時間も守るようになった。しかし彩さんは、おおらかなフィジアンのままのメンタリティーを感じたことがあったと以前教えてくれた。
 昨秋の五輪アジア予選、副島は怪我もあってメンバーから外れていた。家族が現地への応援のために用意していたチケットを利用して香港へ向かった副島は、仲間の勝利を心から喜んだ。彩さんは、自分がいないメンバーでとてもうまくいっていることに不安は感じないのだろうかと思ったが、副島はにこやかにこう言ったそうだ。
「みんなが今日(五輪出場権を)勝ち取ってくれなかったら、僕がこれから頑張る道も閉ざされていたのだから、本当にありがとう。そういう気持ち、それでいいんだよ」
 そんな感謝の気持ちが、リオでの充実の日々を呼んだ。
 準決勝。セブンズ王国のスターたちと戦う副島の姿は、故郷の多くの人が見つめる。日本のファンも熱狂する。シアワセな時間を笑顔で終えることができたら、メダル獲得が確定する。
(田村一博)
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