イギリス戦の後半、同点につながるトライを決めた坂井克行(Photo: Getty Images)
ニュージーランド撃破で勢いに乗る日本が、強豪のイギリスとも互角に渡り合い、デオドロスタジアムの観客を魅了した。
8月9日(現地時間)から始まったリオデジャネイロオリンピックの男子7人制ラグビー。プールCの初戦で優勝候補のニュージーランドを14−12で下した日本は、同じく白星発進していたイギリスと2戦目で激突し、19−21で敗れたものの、難敵ぞろいのプールCにおいて1勝1敗(得失点差±0)という好成績で初日を終え、準々決勝進出の期待が高まってきた。
イングランド、スコットランド、ウェールズのトッププレーヤーで結成されたチームGB(グレートブリテン/イギリス)との試合は、序盤に連続失点した。前半1分、敵陣深くでの攻防だったが、ダン・ビビーに防御網を破られ、サポートしたジェームズ・ロドウェルに約80メートルを独走された。
直後、リスタートのキックオフボールを確保できず、またもロドウェルに走られ0−14となる。
しかし日本は6分、彦坂匡克の力走もあって敵陣深くで攻撃チャンスとなり、桑水流裕策の突進後、ボールを手にしたレメキ ロマノ ラヴァがゴールに持ち込み、7−14として前半を終えた。
2試合連続の金星を狙う日本は後半3分過ぎ、スクラムからのアタックでスピードランナーの福岡堅樹が左サイドを疾走し、ゴールに迫ったが、相手のマーク・ベネットがぎりぎりで止め、トライとはならなかった。しかしその1分後、敵陣深くのブレイクダウンでトゥキリ ロテがイギリスの反則を誘い、速攻を仕掛け、坂井克行が同点につながるトライを決めた。
前へ出るディフェンスで相手にプレッシャーをかけ続けた日本。
しかし、残り30秒でイギリスのマーカス・ワトソンに突破され、14−21と勝ち越しを許してしまう。
それでもあきらめない日本は、ホーンが鳴ったあとのアタックで辛抱強くつないでゴール前まで攻め上がり、ペナルティを獲得。そして右から左へつなぎ、福岡、後藤輝也の連続オフロードでレメキに渡り、ジャパンの背番号1が執念のトライを決めた。
しかし残念ながら、難しい位置からの坂井のコンバージョンキックは左に外れ、同点ならず。
それでもスタジアムの観衆から、健闘した日本に大きな拍手が送られた。
同じプールのもうひとつのライバルチームであるケニアはニュージーランドに5−28で敗れたため、1日目を終えて、イギリスが2勝0敗、日本とニュージーランドが1勝1敗で、ケニアが0勝2敗となっている。
出場12チームが4チームずつ3組に分かれてそれぞれ総当たり戦をおこない、各組の2位以上と、3位のなかで成績がよかった2チーム、計8チームが準々決勝に進む。