リオ五輪の初戦でニュージーランドを倒し、喜ぶ日本の選手たち(Photo: Getty Images)
男子セブンズ日本代表が初めて立ったオリンピックという大舞台で、世界中を驚かす大快挙を成し遂げた。あの、オールブラックス・セブンズに勝ったのだ。
リオデジャネイロ(ブラジル)のデオドロスタジアムで現地時間8月9日、男子7人制ラグビーが開幕し、プールCの初戦でニュージーランドと対戦した日本は、14−12で熱闘を制した。
昨秋は15人制のワールドカップで“エディー・ジャパン”が強豪の南アフリカを倒してスポーツ界の歴史を変えたが、瀬川智広ヘッドコーチ率いるセブンズ日本代表はリオ五輪の舞台で金メダルの有力候補であるニュージーランドから大金星をつかんだ。ワールドセブンズシリーズで最多12回の総合優勝を誇るニュージーランドに対し、日本は過去、同シリーズで16回挑戦してきたが、一度も勝ったことはなかった。2013ワールドカップ・セブンズのチャンピオンでもある最強の黒衣軍を倒し、念願のメダル獲得へ向け最高のスタートを切った。
日本は立ち上がりがよく、序盤から敵陣で攻めた。
3分、22メートルライン内のラインアウトから左へ回し、後藤輝也が記念すべき初トライを挙げた。
5分過ぎ、ニュージーランドのパワフルなアキラ・イオアネにサイドを崩され、つながれ同点とされたものの、前半終了前にも後藤のビッグゲインで会場を沸かせるなど、いいムードのまま7−7で折り返した。
後半早々、ニュージーランドは15人制でも活躍する世界的スターのソニービル・ウィリアムズが負傷し、交代を余儀なくされる。悪い流れを変えたい黒衣の男たちは2分40秒、アキラ・イオアネが再びパワーで日本選手を振り払い、勝ち越しトライを決めた。
しかし、日本は食らいつき、4分過ぎ、坂井克行がタックルを受けながらも倒れず、つないで、ペースをつかむ。すばやく、精度の高いパス回しでワイドに揺さぶり、敵陣22メートルライン内へ。そして、ペナルティを得ると、トゥキリ ロテが速攻を仕掛け、副島亀里ララボウ ラティアナラが同点トライ。坂井が難しい角度からのコンバージョンキックを決め、14−12と逆転した。
フルタイムを報せるホーンが鳴ったあと、日本は敵陣深くでのラインアウトを失敗して相手にボールを渡してしまったが、全員で必死に守った。
ニュージーランドのギリーズ・カカが突破してゴールに迫ったが、福岡堅樹が猛追してスコアを許さない。その後、日本に反則があり、ニュージーランドはラストアタックで右へ大きく回したが、黒衣の5番をレメキ ロマノ ラヴァが止め、ジャイアントキリングとなった。
8強入りへ好発進した日本。このあとプールCで、イギリス(1日目)、ケニア(2日目)と対戦する。