ラグビーリパブリック

精いっぱい咲いた日本のサクラ 女子セブンズ日本代表はリオ五輪10位

2016.08.09
9・10位決定戦でブラジル選手を懸命に止める大黒田裕芽(左)と山口真理恵
(Photo: Getty Images)
 オリンピックでの金メダル獲得を目標に掲げ、約5年間、過酷なトレーニングを積んできたサクラセブンズ(女子7人制ラグビー日本代表)の戦いが終わった。リオデジャネイロの夢舞台で3日間、懸命にプレーし、最後は開催国のブラジルに5−33で敗れ、12チーム中10位という結果だった。
 9位・10位決定戦となったこの日本×ブラジル戦には、来季ワールドラグビー女子セブンズシリーズのコアチーム入りがかかっていて、世界の強豪国が集う同シリーズにフル参戦できる権利をつかんだのは、勝者のブラジルとなった。
 リオ五輪でのラストゲーム。日本は最高の立ち上がりだった。前半2分30秒、ゴール前中央でペナルティを得、速攻で左へ回して大黒田裕芽のトライで先制した。
 しかし4分過ぎ、ブラジルの長身選手にディフェンスを破られ約50メートルの独走を許し、流れが変わる。
 そして前半終了前、ブラジルが速いテンポでゴールに迫り、身長153センチと小柄で俊敏なエドナ・サンティーニを止めようとした中村知春がハイタックルとなり、イエローカードをもらってしまった。日本が6人になった直後、ブラジルのパワフルランナーが力でゴールに突っ込み、追加点。5−12で折り返した。
 後半早々、数的優位のブラジルはキックを使い、走り勝ってボールを確保したキャプテンのパウラ・ハルミ・イシバシがそのままゴールへ持ち込み、点差は広がった。
 7人の布陣に戻った日本だが、ゲームは完全にブラジルペースで、2分、またも空いたスペースにキックされ得点を許してしまった。
 ブラジルは試合終了前にもディフェンス裏へキックしてから5トライ目を奪い、守りを修正できなかった日本は完敗となった。
 メダル獲得も、来季ワールドシリーズのコアチーム入りも達成できなかったサクラセブンズ。しかし、彼女たちが多くを犠牲にしながら精いっぱいラグビーに打ち込んだ5年間と、大舞台での貴重な5試合、そして歴史を刻んだ五輪1勝は、間違いなく日本ラグビー界の財産になる。
 4年後、2020年の東京オリンピックでも7人制ラグビーはおこなわれる。
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