パナソニックもブリスベン・グローバル・テンズに参加することとなり、
ヒーナン ダニエル(中央)がスーパーラグビーの選手たちと記念撮影(撮影:飯田裕子)
来年2月、スーパーラグビー開幕前に、10人制のクラブ国際大会「ブリスベン・グローバル・テンズ」が実施されることになり、開催地となるブリスベン(オーストラリア)で8月4日に発足会見が行われた。
オーストラリアとニュージーランドからスーパーラグビーの全10チームが名を連ねるほか、初年度の2017年大会には、日本のトップリーグで3連覇中のパナソニックワイルドナイツも参加。さらに、南アフリカのブルーブルズ(ブルズの母体)、フランスからはFB五朗丸歩が最近加入したトゥーロンが招待クラブとして参戦することが決まった。サモアも1チームを形成して大会に送り込み、計14チームが王座を争う。
10人制ラグビーはFW5人、BK5人。セブンズより15人制の要素が多くあるといわれ、戦術戦略も15人制に近い。今大会はサンコープスタジアムが会場となり、試合は5分のハーフタイムを挟んで10分ハーフで行い(選手交代は無制限)、ノックアウト形式のトーナメントで2日間、計28試合が行われる。
この大会は、13人制の大会などで実績のあるニュージーランドのイベント会社「Duco Event」社が約3年かけてプランニング。パナソニックのロビー・ディーンズ監督は当初から計画に賛同し、約2年にわたって助言するなど協力してきた。
「この大会の素晴らしいところは、世界のトップクラブのトップ選手が一堂に集まって戦うことです。サンコープスタジアムは南半球で一番ラグビーが見やすいといわれる競技場です。そこで行われるということは、より大会のステイタスを高めることになるでしょう」と語ったディーンズ監督。「パナソニックが日本のチームとして招待を受けたとき、日本のラグビーを世界に発信するいい機会だと思いました。当然、優勝を狙います。日本の国内シーズンが終わったばかりなのでいい状態で参加できると思います。(スーパーラグビー選手の参加は未定だが)ベストメンバーで臨みます」
大会は向こう4年間行われる予定で、オーストラリア・ニュージーランドのチームは固定されるものの、「毎年、大会を新鮮でエキサイティングなものにしたいし、世界でもベストなチームを引き付けたい(Duco Event社 レイチェル・キャロルCEO)」との理由で、招待チームは大会毎に変更する可能性があるという。
発表会にはラグビー関係者、政府関係者や報道陣など約200人が出席。パナソニックからはLOヒーナン ダニエルが参加し、新しい国際ラグビーイベントのPR活動を行った。「パナソニックが世界規模のトーナメントに出るのは初めてだから、チームにとっても日本のラグビーにとっても良いことです。2019年ワールドカップも控えているし、我々は日本ラグビーのためにも良い印象を残せるようにしたい」と述べ、故郷ブリスベンで開かれる同大会を心待ちにしているようだ。
同じくブリスベン出身でパナソニックに所属しているベリック・バーンズは、「この大会は以前、NZでリーグラグビーの9人制大会として行われていました。その試合を見たことがありますが、セブンズのようにお祭りみたいな雰囲気でした。今度の大会もそうなるでしょう。この大会が行われるタイミングもちょうどいい。南半球もラグビーがない時期で、日本も終わったところで、みんなラグビーが見たいと思っているときに行われる大会ですから、必ず盛り上がるでしょう」と語った。
レッズのニック・スタイルズ ヘッドコーチは、「15人制のプレシーズンマッチを行いながらチーム全体でこの大会に臨む。ブルーズやレッズなど今季不本意な成績に終わったチームは、(来季こそ)いいスタートを切りたいもの。短時間で強度の高い試合をこなすことでスーパーラグビー初戦もいい形で臨めるようになると思う」と、本腰を入れて取り組む所存だ。
同大会は、レッズの本拠地「サンコープスタジアム」で来年2月11日、12日の日程で行われ、一般向けのチケット販売は8月11日、ウェブサイト上(www.brisbaneglobaltens.com または http://www.ticketek.com.au/BrisbaneTens)で開始される。
(文:飯田裕子)
発足会見には元豪州代表のナイサン・シャープ(中央)も出席。右がレッズのスタイルズHC(撮影:飯田裕子)
スター選手たちが参加し、新たなエキサイティングな大会になりそうだ(撮影:飯田裕子)