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大東大、ジャパンセブンズ初V! MVP小山大輝は「無我夢中」。

2016.07.11
ジャパンセブンズ2016で優勝した大東文化大(撮影:松本かおり)
 7人制ラグビーの日本一を争う「なの花薬局ジャパンセブンズ2016」が7月10日、東京・秩父宮ラグビー場であり、王座を決めるカップトーナメントでは大東文化大が優勝。同トーナメント決勝で帝京大を33−28で制し、初のチャンピオンに喜んだ。賞金50万円などを獲得した。
 普段は15人制をプレーするクラブが数多く集まるこの大会。今季はスケジュールの都合から、日本最高峰トップリーグのクラブが相次ぎ辞退していた。7人制大会でも実績のある大学に釜石シーウェイブスなど社会人下部リーグのチームが加わり、計11チームが参加した。
 頂点に立った大東大は、外国人留学生の突破力を活かして勝ち上がり、終始躍動したアマト・ファカタヴァは「チーム全員で勝てた」と笑う。大道勇喜は「いいランナーに1対1でボールを持たせようと思っていた。自分は前が空いたら、仕掛ける」。自らのステップワークで相手を引きつけ、ファカタヴァら仕留め役を自由にさせたかったと話す。
 MVPに輝いたのは小山大輝。15人制ではSHを務める4年生で、密集脇での加速力で魅せる。
 この日のファイナルゲームでは、前半終了間際のトライなどでスコアを21−21の同点とし、後半も5、7分にインゴールを割った。
 敵陣22メートル線付近中央から守備網を破った5分の1本は「まず相手のキャラクターを見た。目の前がFW(大きな選手)だったので(周りにパスせずに走った)」と記憶に残っているが、細かなプレーを総括すると…。
「何トライ取ったんですか? …無我夢中でした。大きな大会とかだと、緊張感もあるんで」
 朝から晩までの長丁場の戦いで、気力を振り絞っていた。
 大学選手権7連覇中の帝京大は準優勝に終わり、密集戦で激しいプレーを披露した飯野晃司は「よかった点は最後まで走って帝京大らしいプレーをしたこと。悔やまれるのは、勝ち切れなかったこと」と唇を噛んだ。
 前年度は新人ながら15人制の関東大学対抗戦Aでトライ王を争った竹山晃暉は、ホセア・サウマキの大きな突破を許した。「外にかぶる(相手が球をもらう前に大外からプレッシャーをかける)ディフェンスをしようと思ったのですが、サウマキさんの初速が速いのと、こちらの体力の消耗で、勝負ができなかった」と、表情を変えずに語った。
 ファイナリストはいずれも15人制に注力しているとあって、勝った小山は「帝京大には15人制で勝たないと意味がない。その意味でのいい課題も見つかった。帝京大さんは俊敏で、強い。きょう、身体を当てた感じを、皆で忘れずに行きたい」と、敗れた竹山は「自分たちのゴールはここではない。夏、大学選手権に向けた課題が見つかった」とそれぞれ続けた。
(文:向 風見也)

MVPに選ばれた大東文化大の小山大輝(撮影:松本かおり)
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