最多タイの9トライを挙げているマプー(写真)を筆頭に、ライオンズの総トライ数60は全体のトップ
(Photo: Getty Images)
ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、日本の5か国から18チームが参加し、2月下旬から熱戦が展開されてきたスーパーラグビーは、レギュラーシーズン大詰めとなり、ライオンズ(南ア)がプレーオフ進出一番乗りを決めた。
3年前に屈辱の降格を経験し、世界的ビッグネームはひとりもいなかったライオンズだが、元南ア代表LOで選手としても経験豊富だったヨハン・アッカルマン ヘッドコーチのもと力をつけ、主将のNO8ワーレン・ホワイトリーやFLヤコ・クリエルらを中心に結束し、昨年の国内選手権(カリーカップ)で全勝優勝した実力をスーパーラグビーでも存分に発揮している。
ライオンズがプレーオフに進むのは、前身のキャッツが2001年に4強入りして以来、15年ぶり。
7月2日に地元のジョハネスバーグでシャークスを37−10で下し、10勝3敗で勝点47としたライオンズは、アフリカ第2カンファレンスの首位が確定し、プレーオフのシードに影響してくる総合順位でもニュージーランド/オーストラリア・グループで現在1位のチーフス(勝点46)を抜いてトップに躍り出た。
昨年まではプレーオフに進めるのは6チームだったが、今年は18チーム参加の大会に拡張し、8チームがノックアウトステージ(準々決勝)に進むことができる。
アフリカ第1カンファレンスでは、首位のストーマーズが2日に敵地でおこなわれたレベルズ戦を57−31で制して勝点を41に伸ばした一方、同地区2位のブルズはアルゼンチンでジャガーズに11−29で敗れ、苦しくなった。勝点32のブルズは、南アグループのワイルドカード(アフリカ各カンファレンス1位以外の上位1チーム)争いでもシャークス(勝点35)との差を詰めきれておらず、ホームのプレトリアで現地時間9日におこなわれるサンウルブズ戦は非常に重要となってくる。
大混戦のニュージーランド・カンファレンスは、リーチ マイケルと山下裕史が所属するチーフスがクルセイダーズとの首位攻防を23−13で制し、順位は逆転したが、勝点差はわずかに1ポイント(チーフスは勝点46、クルセイダーズは勝点45)。3位のハリケーンズと、田中史朗が所属する昨季王者のハイランダーズも先週末の第15節で勝って、勝点をそれぞれ44、43としており、最終節までもつれそうだ。
残念ながら、マレ・サウが所属するブルーズはハリケーンズに27−37で敗れ、NZ・豪州グループのワイルドカード(同グループ各カンファレンス1位以外の上位3チーム)の望みもなくなった。
オーストラリア・カンファレンスでは、サンウルブズに圧勝したワラターズがブランビーズと勝点39で並んだが、9勝しているブランビーズが8勝のワラターズよりも上位のまま。ワイルドカード争いではNZ勢に後れを取っているため、地区1位の座がプレーオフへの確かな切符だ。
松島幸太朗が所属する同地区3位のレベルズは、2日のホームゲームでストーマーズに敗れ、ワイルドカードの可能性もなくなり、初のプレーオフ進出とはならなかった。
レギュラーシーズンはあと2節。
<スーパーラグビー2016 プレーオフスポット争い>
【アフリカ第1・カンファレンス】(1チーム)
・ストーマーズ(8勝1分4敗/勝点41)
・ブルズ(7勝1分5敗/勝点32)
【アフリカ第2・カンファレンス】(1チーム=確定)
・ライオンズ(10勝3敗/勝点47)
《南アグループ ワイルドカード》(アフリカ各カンファレンス1位以外の上位1チーム)
・ストーマーズ(8勝1分4敗/勝点41)
・シャークス(7勝1分5敗/勝点35)
・ブルズ(7勝1分5敗/勝点32)
【NZ・カンファレンス】(1チーム)
・チーフス(10勝3敗/勝点46)
・クルセイダーズ(10勝3敗/勝点45)
・ハリケーンズ(9勝4敗/勝点44)
・ハイランダーズ(9勝4敗/勝点43)
【豪州・カンファレンス】(1チーム)
・ブランビーズ(9勝4敗/勝点39)
・ワラターズ(8勝5敗/勝点39)
《NZ・豪州グループ ワイルドカード》(NZ・豪州各カンファレンス1位以外の上位3チーム)
・チーフス(10勝3敗/勝点46)
・クルセイダーズ(10勝3敗/勝点45)
・ハリケーンズ(9勝4敗/勝点44)
・ハイランダーズ(9勝4敗/勝点43)
・ブランビーズ(9勝4敗/勝点39)
・ワラターズ(8勝5敗/勝点39)
※ 勝点:勝利=4点、引き分け=2点、負け=0点
※ ボーナスポイント:相手より3トライ以上多くトライ=1点、7点差以内で負け=1点