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世界最高の祭典へ! リオ五輪 ラグビー日本代表選手団発表!

2016.06.29
リオ五輪に参加するラグビー日本代表選手団(撮影:松本かおり)
 今夏のリオデジャネイロ五輪(第31回オリンピック競技大会)で初めて正式種目として採用される7人制ラグビー。同大会には男女とも12チームずつが参加し、その両方に日本も出場する。6月29日、男女日本代表選手団が発表された。男子代表として発表されたのは14人。女子は13人。最終的に12人が五輪のピッチに立つ。
 スーパーラグビーでトライを量産したサンウルブズの山田章仁が6月から本格参戦するなど、チーム内での競争が激化していた男子には、その山田のほか、昨秋のワールドカップ(15人制)にも参加した福岡堅樹、藤田慶和らスピードスターも選ばれた。
 主将を務めるのはハイボールに強く、走り続ける桑水流裕策。前主将の坂井克行、ピカイチの速さを持つ松井千士、ムードメーカーの彦坂匡克、腰の強い走りで安定感のある羽野一志、タックルに自信を持つ合谷和弘、激しい徳永祥尭、強気に走る後藤輝也らがチームの骨格を成す。帰化して五輪出場が叶ったレメキ ロマノ ラヴァ、トゥキリ ロテ、副島亀里ララボウ ラティアナラらインパクトある選手も揃っている。
 瀬川智広ヘッドコーチは、「チームの目標はメダル」と話し、言葉を継いだ。
「日本のスタイルは、人とボールが止まることなく動き続けるもの。俊敏にスペースを攻めたい。攻撃を継続させるためにも、セットプレーの安定は不可欠。それぞれの特性を出して戦いたい。ベストのメンバーが揃ったと思っています」
 女子も14人のメンバーを発表する予定だったが、豪州遠征時に怪我人が出て13人の発表となった。「日本の女子ラグビーを育ててくれた人たちへの感謝の気持ちでいっぱいです。リオで台風の目になる」と言った中村知春主将を中心に結束力で戦う。
 サクラセブンズは個性派揃いだ。「日本のお母さんは強い、と示してきたい」と話した兼松由香はチームの精神的支柱。冨田真紀子は「世界一のタックラーになる」と言葉に力を込めた。パワーランナーの谷口令子、安定感のある加藤慶子、キック力のある司令塔、大黒田裕芽。山口真理恵はチームいちばんのスピードスターだ。横尾千里、小出深冬はラグビー歴が長く、ラグビーの理解力が深い。伸び盛りの山中美緒にも期待がかかる。
 バレーボール出身の竹内亜弥、円盤投げから転向した桑井亜乃、バスケットボール出身の中丸彩衣は、それぞれの競技で培った能力をラグビーに加えて大舞台に臨むつもりだ。浅見敬子ヘッドコーチは、「サクラセブンズの強化を始めたのは2011年。明日で活動日は1060日になり、223試合を経験してきました。今回、心身ともにタフに戦える選手を選んだ。平均的な選手でなく、強みのある選手、武器のある選手ばかりです。最後まで、掲げてきた金メダルを目指して戦う。アジア5位から始まったチームです。走り勝つラグビーを最後まで」と決意表明した。
 メンバー発表の12時間前には、大会でのプール分けが発表された。男子はニュージーランド、イギリス、ケニアと同組。女子はカナダ、イギリス、ブラジルと同じ組で戦う。
 対戦国をにらみ、瀬川ヘッドコーチは「いいグループに入った。NZは強いがオーソドックス。対策は練りやすい。イギリスは混合チームだけに結束力で勝負できるし、イングランドと引き分け、スコットランドには勝ったことがあり、ウエールズとは相性が悪くない。ケニアには勝ったことがあるし、(相手は)ムラがあるチーム」と力強く言った。
 浅見ヘッドコーチも「カナダ、イギリスとは接戦で惜敗し、手応えはある。前半粘って、後半走り勝ちたい。ブラジルは急速に強化を進めているチーム。日本と似ているところもあるので冷静に戦いたい」と話し、金メダルを目指す意志を強く示した。
≪男子日本代表選手団≫
・副島亀里ララボウ ラティアナラ(33歳/玄海タンガロアラグビー/フィジー出身)
・山田 章仁(30歳/パナソニック ワイルドナイツ/慶應義塾大卒/福岡県出身)
・桑水流 裕策(主将/30歳/コカ・コーラレッドスパークス/福岡大卒/鹿児島県出身)
・トゥキリ ロテ(28歳/クボタスピアーズ/白鷗大卒/フィジー出身)
・坂井 克行(27歳/豊田自動織機シャトルズ/早稲田大卒/三重県出身)
・レメキ ロマノ ラヴァ(27歳/ホンダヒート/ニュージーランド出身)
・彦坂 匡克(25歳/トヨタ自動車ヴェルブリッツ/筑波大卒/愛知県出身)
・羽野 一志(25歳/NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/中央大卒/愛知県出身)
・後藤 輝也(24歳/NECグリーンロケッツ/山梨学院大卒/山梨県出身)
・徳永 祥尭(24歳/東芝ブレイブルーパス/関西学院大卒/兵庫県出身)
・福岡 堅樹(23歳/パナソニック ワイルドナイツ/筑波大卒/福岡県出身)
・合谷 和弘(23歳/クボタスピアーズ/流通経済大卒/福岡県出身)
・藤田 慶和(22歳/パナソニック ワイルドナイツ/早稲田大卒/京都府出身)
・松井 千士(21歳/同志社大学 4年/常翔学園高卒/大阪府出身)
<男子日本代表選手団 バックアップ選手>
・大島 佐利(28歳/サントリーサンゴリアス)
・豊島 翔平(27歳/東芝ブレイブルーパス)
・小澤 大(27歳/トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
・安井 龍太(26歳/神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
・鶴ヶ崎 好昭(26歳/パナソニック ワイルドナイツ)
・ジェイミー・ヘンリー(26歳/PSIスーパーソニックス)
<男子日本代表選手団 スタッフ>
■ヘッドコーチ: 瀬川 智広(日本ラグビーフットボール協会)
■S&Cコーチ: 見山 範泰(日本ラグビーフットボール協会)
■ドクター: 田崎 篤(聖路加国際病院)
■トレーナー: 辰見 康剛(九州共立大学)
■トレーナー: 古舘 昌宏(リニアート)
■分析: 中島 正太(日本ラグビーフットボール協会)
■総務: 飯島 康弘(日本ラグビーフットボール協会)
■広報: 宮崎 良平(日本ラグビーフットボール協会)
≪女子日本代表選手団≫
・兼松 由香(34歳/名古屋レディース/愛知教育大卒/愛知県出身)
・竹内 亜弥(29歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/新潮社/京都大卒/岐阜県出身)
・中村 知春(主将/28歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/電通東日本/法政大卒/神奈川県出身)
・加藤 慶子(27歳/世田谷レディース/三菱重工業/法政大卒/大阪府出身)
・桑井 亜乃(26歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/八木橋/立正大学大学院卒/北海道出身)
・山口 真理恵(26歳/Rugirl-7/オーストラリアンカレッジオブナチュラルセラピーズ卒/神奈川県出身)
・冨田 真紀子(24歳/世田谷レディース/フジテレビジョン/早稲田大卒/岡山県出身)
・横尾 千里(24歳/東京フェニックスRC/全日本空輸/早稲田大卒/東京都出身)
・谷口 令子(23歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/凸版印刷/東京学芸大卒/アメリカ出身)
・中丸 彩衣(22歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/NTTファシリティーズ/桐蔭横浜大卒/神奈川県出身)
・大黒田 裕芽(21歳/立正大学ラグビー部 4年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/千葉県出身)
・山中 美緒(20歳/立正大学ラグビー部 3年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/大阪府出身)
・小出 深冬(20歳/東京学芸大学ラグビー部 3年/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/神奈川県出身)
<女子日本代表選手団 バックアップ選手>
・鈴木 彩香(26歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/立正大学)
・三樹 加奈(24歳/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/埼玉縣信用金庫)
<女子日本代表選手団 スタッフ>
■ヘッドコーチ: 浅見 敬子(日本ラグビーフットボール協会)
■ストレングス&コンディショニングコーチ: 宮崎 善幸(立正大学)
■ドクター: 田崎 篤(聖路加国際病院)
■パフォーマンスアナリスト: 岩井 優(日本ラグビーフットボール協会)
■アスレティックトレーナー: 平井 晴子(日本ラグビーフットボール協会)
■アシスタントアスレティックトレーナー: 安永 華南絵(てがぬまFIELD 鍼灸院・整骨院)
■総務: 香川 あかね(日本ラグビーフットボール協会)
■広報:  土橋 百合(日本ラグビーフットボール協会)

リオ五輪で着る新ジャージーもお披露目となった(撮影:松本かおり)
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