リオ五輪出場を決めた男子7人制スペイン代表(Photo: World Rugby/Martin Seras Lima)
スペインの男たちが歓喜し、泣いた。今夏、ついにオリンピアンとなる。
リオデジャネイロオリンピック出場への最後の1枠をかけた男子セブンズ最終予選が、6月18、19日にモナコで開催され、スペインが強豪のサモアを22−19で下し、夢舞台の切符を手にした。
劇的なフィナーレだった。
準々決勝でアイルランドに12−7と逆転勝ちしたスペインは、準決勝でワールドセブンズシリーズのコアチームであるロシアと対戦し、17−12で勝利。2点を追い、フルタイムを報せるサイレンが鳴るなか、スペインはラストプレーで自陣深くから懸命につなぎ、敵陣22メートルライン付近右のラックから持ち出した選手がショートサイドを抜けてゴールに持ち込み、ドラマチックな逆転勝ちでリオへの望みをつないだ。
そして決勝では、かつてワールドシリーズ総合チャンピオンになったことがあり、今年5月のパリセブンズで優勝した“本命”のサモアに挑戦。
準決勝でドイツに苦戦したサモアは決勝でも立ち上がりが悪く、スペインが連続トライで12−0とリードしたが、パワーとスピード、そして個人技があるサモアは前半8分頃からようやくエンジンがかかり、3連続トライで12−19とゲームをひっくり返した。
それでもスペインは食らいつき、後半6分にキックを使ってトライを奪い2点差に詰めると、数分後にはカウンターアタックでブレイクスルーしたサモアの選手を猛追して止め、ピンチをしのいだ。
そして、残り1分を切り、スペインはゴール前でラインアウトのチャンスを迎える。右へ大きく回し、必死のサモアに止められたが反則があり、ゴール前右サイドでPKが与えられた。残り10秒。スペインはタップキックから攻め、左へ大きく展開、タックラーを引きつけた選手が仲間につないで逆転トライが生まれ、劇的な幕切れとなった。
リオ五輪に出場する男子の全12か国は以下のとおり。
女子の最終予選は6月25、26日にアイルランドのダブリンでおこなわれる。
<夏季オリンピック 2016 リオデジャネイロ大会/男子セブンズ出場国>
ブラジル(開催国)、フィジー、南アフリカ、ニュージーランド、イギリス(以上、2014-15 ワールドシリーズ 上位4か国)、アルゼンチン(南米)、アメリカ(北米・カリブ)、フランス(欧州)、オーストラリア(オセアニア)、ケニア(アフリカ)、日本(アジア)、スペイン(最終予選)