流経大はアタックが活き9トライ(撮影:見明亨徳)
6月11日、2016年関東大学春季大会Aグループの流経大×筑波大が「第26回千葉県らぐびーまつり in 印西」の招待試合として行われた。
ともに王者帝京大に12トライを献上した両校。この日は攻め合いで一歩も引かず、流経大9トライ、筑波大6トライの59−42(前半33−28)で流経大が制した。
流経大は4勝1敗、筑波大は1勝4敗で大会を終えた。
なお、1位は帝京大。同日、佐賀県総合運動場陸上競技場で東海大に35−34と辛勝し、5戦全勝で5年連続の春季大会優勝を決めている。
流経大×筑波大の試合は、前半7分、流経大の左WTB落合知之が筑波ゴール前左スクラムから出たボールをインゴールへ持ち込み、幕を開けた。ゴールキックはSO東郷太朗丸が成功し、7−0。
2分後、リスタートから筑波が流経大陣でターンオーバーし、右WTB松岡祐斗が右中間へファイブポインターとなった。キッカーは新人の左WTB島田悠平(國學院久我山)が担当、確実に決めて同点。
以後、13分に流経大のLOタウムア・ナエアタが190センチ、116キロの体を活かした突破を実行、筑波ディフェンスを切り裂き、FL廣瀬直幸のトライを演出した。24分に筑波も7点を加え、14−14で譲らない。27分に筑波は同点後の流経大リスタートのキック失敗で得たセンタースクラムを活用、NO8からSHへ出す8−9のサインプレーから流経陣へ展開し、最後はWTB島田がトライとゴールを自ら決め、21−14と初めてリードした。
流経大も1年生が動いた。31分に1年生SH横瀬慎太郎(常総学院)がラインアウトから出たボールをそのまま持ち込み、左中間へトライ(21−21)。2分後にも再開後のアタックから横瀬が仕留めた(28−21)。さらに3分後、LOナエアタが筑波ゴール前ラックを乗りこえてトライし、33−21へ。前半終了間際、筑波も7点を返し33−28で折り返した。
後半も22分までにお互いに2トライ2ゴールを加点し、47−42と譲らない。しかし最後は41分に流経大がスクラムトライを奪い、59−42と両チーム計15トライの打ち合いを制した。
流経大の内山達二監督は「大味と言えるかもしれないが、いい試合でした。アタックは春に練習してきたことができた。ディフェンスも練習してきたが、筑波のターンオーバー後に対するリアクションが遅かった。課題が見えた。下級生も成長し、秋のポジション争いが激しくなる」と満足気だった。
敗れた筑波大・古川拓生監督は「春はアタックが中心でディフェンスはやっていない」としたが、「それでも1人でディフェンスにいってしまった。(組織で行うことは)筑波のベースなので、そこができないのは問題」と振り返った。それでも上級生にけが人が出て若い選手を出さざるを得ない状況で6ゴールを成功したWTB島田を「チャンスを生かしている。去年、キック(G、PG)失敗で試合を失ったので得点源になる」と期待した。
春季大会5試合全てに先発し、計13G、2PG、32得点の島田は「大学に入り毎日、キックを練習できる環境になった。キッカーを任されて緊張感はない」と自信を得ている。
「らぐびーまつり in 印西」のメインゲームはお互いに千葉県内に本拠を構えるトップリーグ、クボタスピアーズとNECグリーンロケッツが戦った。
負けられない千葉ダービー。スコアレスドローも予想されたが、7−7で引き分けた。
最初の得点が入ったのは後半26分。クボタが自陣から展開し、CTBカトニ オツコロのランが活き、最後はNO8高森一輝が中央へトライした(ゴール成功)。
NECも意地を見せた。10分後、ラインアウトからつなぎクボタゴール前にラックを形成。横へ回すかと見えた瞬間、PR榎真生が縦を選択、そのままポスト下へ飛び込んだ。コンバージョンも決まって7−7となり、接戦を終了した。
トライした両選手は千葉県の流経大柏高の先輩後輩(榎が1学年上)。マン・オブ・ザ・マッチは先制トライを決めた高森となり、印西市で獲れた米俵3俵の賞品を獲得した。
クボタ新人の昨季早大主将・岡田一平は大学時代のCTBから古巣SHで先発した。「SHの感覚は残っている。トップリーグ、日本代表、サンウルブズのレベルを学んでいきたい」と話した。
午前中に行われた小学生高学年の印西ラグビースクールと松戸ラグビースクールの試合も熱戦。お互いにテンポ良い球出しでアタックを繰り返し、印西がトライ数5−3で勝利した。
(文:見明亨徳)
トップリーグ勢は意地の張り合い(撮影:見明亨徳)
マン・オブ・ザ・マッチで米俵3俵を得たクボタNO8高森(右から2人目/撮影:見明亨徳)
印西ラグビースクールがピッチを駆け回った(撮影:見明亨徳)