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歓喜までの試練… サクラセブンズ、強豪との戦いで9連敗

2016.05.29
ワールドラグビー女子セブンズシリーズの最終戦に臨む各国代表の主将
(Photo: Isabelle Picarel/FFR)
 今夏のリオデジャネイロオリンピック開幕まで70日を切った。
 その前に、世界の強豪と本気の勝負ができる最後の大会で自信をつけたいサクラセブンズ(女子7人制日本代表)だが、フランスのクレルモン=フェランで28日におこなわれた「ワールドラグビー 女子セブンズシリーズ 2015−2016」の最終ラウンド初日は、カナダ、ニュージーランド、ロシアとのプール戦で3連敗を喫した。
 4月のアトランタセブンズ(第3ラウンド・アメリカ大会)でコロンビアに勝ったのを最後に、9連敗だ。競った試合も多く、オリンピックでメダルを狙えるポテンシャルはきっとあるが、もう一歩が届かない。
 今季総合ランキングで4位につけているカナダとの試合は、15−21で惜敗。
 前半はパワーとスピードがあるカナダが縦横に揺さぶり、3トライを重ねた。
 日本は16点を追う後半早々、1人がイエローカードをもらい数的不利となったが、キャプテンの中村知春がチームメイトを鼓舞するかのようにゴール前のタップ&ゴーから得点すると、後半5分には桑井亜乃がパワーでインゴールに突っ込み、6点差とした。日本はリスタートのキックオフでボールを確保し、相手の反則もあって敵陣22メートルライン内に入る。しかし、しばらく受け身に回っていたカナダが最後に踏ん張り、逆転劇は生まれなかった。
 リオ五輪で金メダルの有力候補であるニュージーランドには、0−40と圧倒された。
 前半1分過ぎにキックパスを受けた歴代最多トライゲッターのポーシャ・ウッドマンが先制。5分には、オールブラックだったルーク・マカリスターの妹、カイラ・マカリスターがこれぞ世界トップクラスというステップで日本の防御網を鮮やかに切り裂き、駆け抜けた。ミスが少ないニュージーランドは前半終了前に2トライを追加すると、後半は堅実なサポートプレーとキックを使った戦術で得点を重ね、計6トライで日本を圧倒した。
 そして、リオ五輪の世界最終予選を1か月後に控えるロシアとの戦いは、17−19で敗れた。
 キックオフから数秒後にボールを奪われ、先制を許す。
 5分、ゴール前での日本の連続攻撃に辛抱できなかったロシアが反則を繰り返し、イエローカードが出されたが、数的有利の好機で日本は得点できず、逆にカウンターを食らってトライを奪われた。
 後半早々にもロシアのスピードランナーに約60メートルを独走され、0−19に。だが、ここから日本は粘りを見せ、3分過ぎ、相手の落球から攻撃に転じて冨田真紀子が自陣から走り切ると、5分には谷口令子がフィニッシュし、12−19と7点差に詰めた。
 そして試合終了前、中村のインターセプトからチーム一体となって懸命につなぎ、竹内亜弥がトライを挙げて2点差とした。が、中村のコンバージョンキックはわずかに外れ、またしても肩を落とす結果となった。
 プールBで最下位となった日本は、大会最終日の29日は9位以下のボウルトーナメントに進み、同準決勝でアイルランドと対戦する。
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