サンウルブズを翻弄したブランビーズのSOクリスチャン・リアリイファノ
(Photo: Getty Images)
サンウルブズが、スーパーラグビーで6回ファイナリスト(2回優勝)になったことがあるブランビーズに、レベルの差を見せつけられた。28日にオーストラリアのキャンベラで対戦し、序盤こそ堅いディフェンスで競っていたものの、結局10トライを奪われ、5−66の完敗だった。
リオデジャネイロオリンピックをめざして今後はセブンズに集中する山田章仁がトライランキングで単独トップに立つ9トライ目を挙げ、一矢を報いたが、インターナショナルマッチ期間(6月)前のラストゲームを落とし、サンウルブズはこれで1勝1分10敗となった。
初チャレンジイヤーで2勝目を狙うサンウルブズと、プレーオフ進出へ向けてライバルたちと激しい競争を繰り広げているブランビーズ。どっちも必死だった。
自陣にくぎ付けにされながらも、ハードタックルの連発で耐えていたサンウルブズだったが、前半11分からブランビーズのトライラッシュとなる。
ブランビーズ先発には昨年のワールドカップで準優勝を遂げたオーストラリア代表のメンバーが6人おり、猛攻の口火を切ったのは世界最強のボールハンターと称されるFLデイヴィッド・ポーコックだった。剛腕の7番がブレイクダウンでターンオーバーすると、キック&チェイスでカンター、サンウルブズのFLリアキ・モリがよく戻ったがブランビーズはテンポよくつなぎ、左へ大きく回してFLスコット・ファーディーが先制した。
17分には得意のモールドライブで追加点。
5分後、今度はラインアウト後のモールから持ち出したポーコックが空間をつくって背番号9の仲間に渡し、SHマイケル・ドウセットが軽快に走り切ってトライが生まれた。
勢いが止まらないブランビーズは30分、スクラムからのアタックで、ショートサイドから広い方へと鮮やかに攻めの方向を変え、ゲインしたSOクリスチャン・リアリイファノをWTBナイジェル・アーウォンがサポートしてゴールへ駆けた。
反撃したいサンウルブズは前半終了前、ラインアウトからモールで押し込みラインを越えたが、グラウンディングできず。この一連の流れで、LO大野均は頭も使って必死にドライビングをアシストしようとしたが、相手へのヘッドバットの反則をとられてイエローカードとなり、流れを変えられないまま、0−28で前半を終えた。
オーストラリア・カンファレンス首位のワラターズを追うブランビーズは、この試合でサンウルブズより3トライ以上挙げてボーナスポイントも獲得したく、後半になっても手を緩めなかった。
42分(後半2分)、SOリアリイファノが自陣から大きくゲインし、22メートルエリア内でなんとか追いついたサンウルブズだったが、いったんは手にしかけたボールを確保できず、こぼれ球を拾ったブランビーズ主将のHOスティーヴン・モーアがトライを決めた。
その後、サンウルブズにゴール前で14フェイズを重ねられても堅守を崩さなかったブランビーズは、54分、敵陣中央でのスクラムから左へ展開して5点を追加する。56分にはブレイクダウンのターンオーバーから7トライ目を挙げると、59分にはWTBジェームス・ダーガヴィルがインターセプトして独走。
66分にゴール前でキック&チェイスのこぼれ球を拾ったサンウルブズのWTB山田が1トライを返したものの、プレーオフスポット争いで得失点差も重要となってくるブランビーズは、74分に相手のラインアウト失敗からたたみかけて得点すると、フルタイムのサイレンが鳴ったあとのラストプレーではWTBアーウォンがきっちりフィニッシュし、61点差のノーサイドとなった。
8勝4敗(勝点34)となったブランビーズはオーストラリア・カンファレンスの首位に浮上。残り3試合は、下位のレッズ、ブルーズ、フォースと対戦する。
サンウルブズは1か月のブレイク後、7月2日に東京・秩父宮ラグビー場でのラストゲームでワラターズに挑む。そのあとは再び南アフリカへ遠征し、ブルズ、シャークスにすべてをぶつける。