スーパーラグビーで夢の競演。日本代表スターの山田、五郎丸、ツイらが別のチームに分かれ激突
(撮影:?塩隆)
世界最高峰リーグのスーパーラグビーで勇敢なチャレンジを続けている日本のサンウルブズは、オーストラリアのブリスベンで21日、日本代表のFB五郎丸歩とFLツイ ヘンドリックを擁するレッズと初対戦し、健闘したものの、25−35で敗れた。通算1勝1分9敗。
下位に低迷しているチーム同士の戦いにもかかわらず、昨年のワールドカップで世界中から称賛された日本代表選手が敵味方に分かれ激突するというホットなトピックもあって、ブリスベンのサンコープスタジアムには1万9073人の観客が集まった。
前半4分、レッズが五郎丸のPGで先制する。五郎丸は57分(後半17分)に負傷交代するまで、5本のゴールキックのうち4本を決め、10得点でレッズの勝利に貢献した。
セットピースが強いレッズは前半14分、スクラムでペナルティを得て敵陣深くのラインアウトに移り、近場を突いてNO8カーティス・ブラウニングがトライを挙げてリードを広げた。
10点を追うサンウルブズは20分、SOトゥシ・ピシがインゴールへボールを蹴り、WTB山田章仁と五郎丸がチェイスするシーンがあったが、ここはレッズのWTBエト・ナンブリが先に追いつき、スコアボードは変わらず。
それでも日本の狼は22分、SOピシとFLリアキ・モリの好走で敵陣22メートルライン内に入り、すばやいリサイクルからテンポよく左へ回し、HO木津武士のクイックパスをもらったCTBデレック・カーペンターが相手FLツイをハンドオフで払いのけ、トライ。コンバージョン成功で7−10となった。
しかし、ホームで今季3勝目を狙うレッズがすぐに突き放す。28分、ラインアウトからのサインプレーが決まってゴールに迫り、キャプテンのPRジェームズ・スリッパーがスコアラーとなる。
なんとか食らいつきたいサンウルブズは、32分にPGで7点差に詰め、37分のカウンターアタックは得点に結びつかなかったものの、直後、HO木津がレッズ最強の突破役であるFLツイを止めてボールに絡み、再びPGチャンスとなってSOピシが決め、13−17で前半を終えた。
後半早々、レッズがラインアウトモールで前進したあと、NO8ブラウニングが5点を追加したが、サンウルブズは50分(後半10分)、WTB山田が左サイドを駆け上がってSOピシ、CTBカーペンターとつなぎ、トライ。コンバージョン成功で20−22、2点差となった。
54分に五郎丸がPGを決め、レッズの5点リードに変わったが、サンウルブズは一歩も引かない。リスタート後、挑戦者たちはターンオーバーからチーム一体となって攻め込み、途中出場のHO堀江翔太からボールをもらったFLモリが、五郎丸の強烈なショルダーチャージを受けながらもインゴール右に押さえ、同点となった。五郎丸はこの激突で右肩を痛め、ベンチへ。
流れは変わった、と思われた。しかし、レッズも必死だった。サンウルブズはリスタート後にFLアンドリュー・ドゥルタロらが力強い突進を繰り返し、テンポよくつないで敵陣22メートルラインに迫ったが、SH矢富勇毅が相手キーマンのFLリーアム・ギルにタックルされて落球し、レッズのカウンター。LOキャデイン・ネヴィルがゴールに持ち込み、これが決勝点となった。
72分にPGで10点差とされたサンウルブズは、ゲームキャプテンのCTB立川理道を筆頭に最後まで粘ったが、奮闘及ばず。初のオーストラリア遠征で注目の一戦は、惜敗に終わった。
サンウルブズは次節(5月28日)、キャンベラで、オーストラリア・カンファレンス首位を狙うブランビーズに挑戦する。6月は国代表のテストマッチシーズンとなるため、その試合が大会一時中断前のラストゲームとなる。
一試合多く消化しているレッズの選手は、一足先に休養に入る。