6月は日本代表として活動する帝京大のSO松田。勝負の1年になる(撮影:井田新輔)
関東大学春季大会は5月15日、初戦快勝した帝京大と流経大が帝京大百草グラウンドで対戦。序盤こそ激しいボール争奪戦で目まぐるしく攻守が入れ替わる展開も、終わってみれば12トライを挙げた帝京大が82−12と完勝した。
明大に66−33と大勝した流経大は個々が激しく前に出て、SO東郷太朗丸が左右に展開してチャンスをうかがう。FL廣瀬直幸主将はフィジカルの強さを見せ何度もゲインする。序盤の10分間で好試合が期待されたが、前半の半ばあたりから帝京大が一方的にペースを握る。特に、SO松田力也、FB尾崎晟也ら経験豊富なメンバーが素早い判断で周囲を走らせる。竹山晃暉の欠場でチャンスを手に入れたルーキーのWTB宮上廉(佐賀工)は先制トライを含め2トライ。同じ佐賀工出身で3年のWTB津岡翔太郎は初戦の4トライに続き、この日も3トライ。FB尾崎の好パスからだけでなく、自らスペースを生み出し、そこを走り切るフィニッシャーぶりを披露した。
「フィニッシャーとして取り切ることがテーマでした。右WTBは誰にも渡したくない」と津岡。持ち前のスピードに加え、抜群のランニングコースでトライを奪うなど、大きなアピールをしている。
そして、6月の日本代表スコッドに選出されたSO松田は自陣インゴールであろうと、相手が少しでもスキを見せると勝負する頼もしさでチームを牽引。FB尾崎はその動きに素早く反応するなど、7連覇の経験者たちは今季も高いレベルを証明した。「(経験者は)コミュニケーションのレベルが違う。そこも向上できれば」と津岡。
流経大は個々が高いレベルのプレーを見せたが、それがチームとして機能しなかった。マイボールラインアウトを再三失い、BKのシンプルなパスミス、個々の強引な攻めなど、帝京大には見られないようなプレーで自滅した。破壊力がある選手もいるだけに、チームとして機能することが急がれる。
<関東大学春季大会:5月15日の結果>
・青学大 31−29 早大
・大東大 58−36 法大