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サンウルブズ 金星逃した… 南ア首位ストーマーズと激闘ドロー!

2016.05.15
ストーマーズの堅い守りをこじ開けようとするサンウルブズのPR浅原拓真(撮影:長岡洋幸)
 サンウルブズが優勝候補の一角であるストーマーズ(南アフリカ)を土俵際まで追い込み、金星を目前にしたが、最後のプレーで同点に追いつかれ、歓喜することはできなかった。5月14日、シンガポール・ナショナルスタジアムでの激闘は、17−17でノーサイドとなった。
 4月23日に東京・秩父宮ラグビー場でジャガーズ(アルゼンチン)から歴史的初勝利をあげたサンウルブズ。準本拠地であるシンガポールのファンの前ではこれまで、南ア勢のチーターズに31−32、ブルズに27−30と健闘したが勝利を見せることはできておらず、この地では今季ラストゲームだった。
 気温30度近く、湿度も高い厳しい試合環境のなか、サンウルブズはほぼ100%のプレーをフルタイムでやり続けた。
 1か月前にケープタウンで19−46と完敗した相手に、前半をリードする。
 序盤にPGを1本ずつ決め、3−3で迎えた前半11分、WTB山田章仁が今季トライランキング単独トップとなる通算8トライ目を挙げ、チームを活気づけた。サンウルブズはハーフウェイ右のスクラムから展開し、FBリアン・フィルヨーンが絶妙のグラバーキックを放つ。山田がそのボールを確保してゴール前でチャンスとなり、サポートも速く、最後はラックから出た球を山田がすばやくピックアップして左隅にねじ込み、5点を追加した。
 その後、SOトゥシ・ピシがPGを2本決め、14−3。サンウルブズは相手にフェイズを重ねられてもしぶとく守り、ブレイクダウンの奮闘も前半のリードにつながった。
 最終的にサンウルブズは金星を逃すこととなるが、振り返れば45分(後半5分)のプレーは惜しかった。WTB山田がSOピシとのコンビネーションで抜け敵陣22メートルライン内に入り、サポートもついての連続攻撃でゴールに迫る。そして、野性的な鋭さがある山田が再び密集からボールを拾い上げゴールライン上に押さえ、得点と思われたが、ビデオ判定でダブルモーションの反則をとられ、トライは認められなかった。
 49分にピシがPGを決め、17−3、サンウルブズのリードは14点に広がったが、南ア・カンファレンスで激しいプレーオフスポット争いをしているストーマーズがこのまま終わるはずもなかった。
 堅守を続けていたサンウルブズだったが、59分、ストーマーズFWがゴール前のパワープレーで壁をこじ開け、7点差とする。
 セーフティリードを保ちたいサンウルブズは76分、モールでゴールに迫りアドバンテージをもらったが得点できず、直後のラインアウトは相手にスチールされて好機を逃した。
 そして、残り1分を切る。
 サンウルブズにとっては勝利へのカウントダウンが始まったが、7人制南ア代表でもあるストーマーズのFBチェスリン・コルビがハーフウェイからギャップを突いて抜け出し、懸命に追った山田がアンクルタップで止めたものの、ストーマーズはボールを継続した。執念の、怒涛のラストアタックでゴールに接近し、そして、途中出場でフレッシュレッグのPRヴィンセント・コッホが3人のタックラーを強引に振り払ってインゴールに飛び込み、劇的トライ。プレッシャーのかかるコンバージョンキックをSOブランドン・トムソンが決め、17−17で試合終了の笛が鳴った。
 ゲームキャプテンを務めたCTB立川理道は、「残念な結果になったが、自分たちが100%の力を発揮できればこういう戦いができる。この試合から学んで次に生かしていきたい。ストーマーズというスーパーラグビーでも上位のチームに対してここまで戦えたのは自信になると思う」と語り、悔しさをかみしめながら次戦を見据えた。
 サンウルブズはあすオーストラリアのブリスベンへ移動し、21日に日本代表のFB五郎丸歩とFLツイ ヘンドリックが所属するレッズと対戦する。
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