豪快に突進するサラセンズのNO8ビリー・ヴニポラ(Photo: Getty Images)
欧州最強クラブの座を争うヨーロピアンラグビー・チャンピオンズカップは、先週末に準決勝2試合がおこなわれ、サラセンズ(イングランド)とラシン92(フランス)が勝ってファイナル進出を決めた。ともに初優勝をめざす。
ハイネケンカップ時代の2014年に決勝を経験しているサラセンズは、同じプレミアシップに属するワスプスに24−17で勝利。ニュージーランド代表で112キャップを重ねた世界的スターのSOダン・カーターを擁するラシンは、イングランドのレスター・タイガースを19−16で下し、初の決勝進出となった。
プールステージから無敗のサラセンズは、23日にイングランド南部のレディングでワスプスと対戦。
開始1分で相手がWTBクリスチャン・ウェイドの好走もあって先制したが、サラセンズは28分、FLマイク・ローズがキックをチャージして自らトライを挙げると、前半終了前にはSOオーウェン・ファレルがPGを決め、8−7とリードして折り返した。
後半の序盤にもショットで得点を重ねたファレルが50分(後半10分)に危険なタックルでイエローカードをもらったが、14人になってもサラセンズの守りは堅く、大崩れしなかった。
すると、サラセンズが14−10とリードして迎えた68分、ワスプスのPRサイモン・マッキンタイアが、自分の足をつかんで離さなかったサラセンズLOマロ・イトジェの頭部を蹴ったため10分間の退出となり、今度はサラセンズが数的優位に。PGでリードを広げたサラセンズは、さらに72分、敵陣22メートルライン外のラインアウトからモールで大きく前進し、止められないワスプスがたまらず反則を犯したことでレフリーはペナルティトライを与えた。
75分にワスプスがトライを挙げ、コンバージョンも成功で7点差となったが、サラセンズが逃げ切り、プレミアシップとの2冠獲得に望みをつないだ。
一方、欧州ベスト4入りさえ初めてだったラシンは、14季ぶりの優勝をめざしたレスターと24日にイングランド(ノッティンガムシャー)で激突。
序盤にSHマクシム・マシュノーのトライで先制すると、SOカーターと南アフリカ代表復帰も期待されるCTBヨハン・フーセンがPGで得点を重ね、リードを広げた。
決め手を欠いたレスターは、残り時間1分を切ってから1トライを返し、ゴールキックも決まって3点差に詰めたが、リスタート後は自陣深くに釘づけにされ、フランス勢最後の希望だったラシンが欧州頂上決戦に歩を進めた。
決勝は5月14日、フランスのリヨンでおこなわれる。
オールブラックスに選出されたこともあるラシンの巨漢PRベン・タメイフナ(Photo: Getty Images)