アジアチャンピオンシップで日本代表を指揮する中竹竜二ヘッドコーチ代行(撮影:見明亨徳)
日本ラグビー協会(日本協会)は4月21日、昨秋のワールドカップイングランド大会後初の日本代表メンバーを発表。20歳以下日本代表(U20)も率いる中竹竜二ヘッドコーチ(HC)代行が、都内で会見した。選ばれた30名は24日に都内で集合し、4月30日からのアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)に挑む。ARCでは韓国代表、香港代表と2試合ずつをおこなう。
日本協会は本来、ARCをU20中心で臨むと発表していた。しかしその後、異論が重なる。結局、FL金正奎(NTTコム)ら国内最高峰のトップリーグで活躍するメンバー、国際リーグであるスーパーラグビーのサンウルブズ(日本を拠点に今季から参戦)でレギュラー獲得を目指す若手が中心となった。やや育成に重きを置かれる方針は変わらず、ワールドカップ組は1人も選ばれず、同大会でバックアップメンバーに回ったSH内田啓介(パナソニック)が主将となった。
「やるのであれば、もっと早く準備したかった。ただ、協会の各種の事情により、この時期になった。アジアとのやり取りのなかで、これが本当に代表の試合にするのかなどの議論があって、後手、後手に回ったのは確かです、サンウルブズがある以上、来年は今年の反省を踏まえて、いい準備ができるようにすべきだと思います。来週から(試合の1週間前から合宿開始)というのは、どう考えても遅い。反省を次回に活かしたいなと思います。準備期間が短いなか、FWとBKの連携は大きな要素となる。内田はU20や大学(筑波大)時代にも主将だった。彼を中心にチームを作るのがいいかな、という思いですね」
ジェイミー・ジョセフ新HCは、現在指揮官を務めるスーパーラグビーのハイランダーズとの契約上、着任は秋以降。4〜5月末のARC、6月11日(日本時間12日)のカナダ代表戦(バンクーバー)、18、25日のスコットランド代表戦(愛知、東京で計2試合)では不在となる。カナダ代表戦以降はのサンウルブズを率いるマーク・ハメットHCがジャパンのHC代行を務める。そんななか、中竹HC代行はこう意気込む。
「皆さんの疑問には、『ジャパンと言いながら、ジュニア・ジャパンのよう』というものが浮かぶでしょう。ただ大会では、ジャパンで行きます。選手には、この大会を通じて本当のジャパンになろうと伝えます。いま、形の上ではジュニアのような位置づけですが、サンウルブズと入れ替わって、6月のスコットランド代表戦では全員が本当のジャパンになる…僕としては、そんな戦いにしたいと思っています」
「相手より速く仕掛ける。受け身のラグビーではなく、仕掛けるラグビーをします。アクションオールウェイズイズリアクションという言葉があります。全ての人間の行為において、何かに対するリアクションは、アクションによって打ち負かされます」
(文:向 風見也)