ボウル準決勝のフィジー戦で2トライを挙げた谷口令子
(Photo: World Rugby/Mike Lee @KLC FOTOS)
サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)にとっては厳しい北米遠征となった。
ワールドラグビー女子セブンズシリーズの今季第3ラウンド・アトランタ大会(アメリカ)では10位だったが、その一週間後の4月16、17日にカナダのブリティッシュコロンビア州ラングフォードでおこなわれた同シリーズ第4ラウンドは、5戦全敗の最下位(12位)に終わった。
ラングフォード大会の最終日。プール戦で下位だったチームによるボウル準決勝に臨んだ日本は、フィジーに10-33で完敗。
序盤に反則を繰り返したフィジーが2人連続でイエローカードをもらい、5人になったにもかかわらず、数的有利の日本はゴール前のPKから攻めるもブレイクダウンでターンオーバーされ絶好のチャンスを逃した。
すると、6分、7分とフィジーに防御網を破られ、連続失点。0-12で迎えた後半も、フィジーの緩急の利いた走りと柔らかいハンドリングに翻弄され、谷口令子がトライを挙げて流れが変わりかけた直後、リスタートのキックオフ失敗で油断したすきに相手に突破され60メートル独走を許すなど、反省点の多い試合となった。
11位・12位決定戦はプール戦で競り負けたアイルランドとの再戦となり、リベンジしたかったが、5-12で逆転負けした。
前半2分過ぎ、日本はゴール前でペナルティをもらい、右へのすばやい展開から谷口がトライを決め、先制。しかし、リスタートしてすぐ、アイルランドの俊足ランナーに振り切られ、同点とされた。
そして5-5で迎えた後半、1分も経たぬ間に、ターンオーバーされてからのカウンターで失点。
7点を追う日本は試合終了間際、ゴール前のPKから攻め、冨田真紀子がゴールラインを越えてトライしたかに思われたが、グラウンディング直前に落球していたことがビデオで確認され、悔しいノーサイドとなった。
浅見敬子ヘッドコーチは「相手が強いというよりは、自分たち次第で勝敗は決まるということがわかった。今後は、自分たち自身を変えていくことに挑戦していかなくてはならない。ラグビーの技術以外の部分で今大会は勝ちきれなかった。スタッツは上がっているが勝ちにつながらない部分は課題として捉えている。個々が勝ちにこだわる意識を練習から出していきたい」とコメント。
中村知春キャプテンは「日本らしく戦えたとしても、勝てなくては意味がない。自分たちのミスが勝敗に影響を与えた。普段の練習から自分自身に厳しくなることをチームで徹底して、5月のフランス大会に向けて準備していきたい。サクラセブンズの強さは、何度倒されても這い上がることだと思うので、世界一になるという目標をぶらさずに、ここからもう一度進んで行きたい」と語った。
なお、ラングフォード大会の優勝はイングランド。カップ決勝ではニュージーランドを31-14で下し、2013年ヒューストン大会(アメリカ)以来2回目の栄冠獲得となった。
女子のワールドセブンズシリーズは次が今季最終ラウンドで、5月28、29日にフランスのクレルモン=フェランでおこなわれる。
NZから5トライを奪って優勝したイングランド。8月のリオ五輪へ向け確かな自信を得た
(Photo: World Rugby/Mike Lee @KLC FOTOS)
<女子ワールドセブンズシリーズ 2015-2016 第4戦・カナダ大会>
▽カップ準々決勝(1〜8位)
・オーストラリア 28-0 スペイン
・ニュージーランド 43-0 ロシア
・フランス 14-12 カナダ
・イングランド 29-7 アメリカ
▽カップ準決勝
・イングランド 15-5 オーストラリア
・ニュージーランド 12-7 フランス
▼カップ決勝(優勝決定戦)
・イングランド 31-14 ニュージーランド
▼3・4位決定戦
・オーストラリア 19-12 フランス
▽プレート準決勝(5〜8位)
・スペイン 14-12 アメリカ
・カナダ 27-0 ロシア
▼プレート決勝(5・6位決定戦)
・カナダ 21-5 スペイン
▼7・8位決定戦
・アメリカ 15-10 ロシア
▽ボウル準決勝(9〜12位)
・ブラジル 10-5 アイルランド
・フィジー 33-10 日本
▼ボウル決勝(9・10位決定戦)
・フィジー 24-7 ブラジル
▼11・12位決定戦
・アイルランド 12-5 日本