高麗(赤)、延世(青)のライバル対決は今季も熱い!(写真:大韓協会SNSより)
2016年の韓国ラグビーシーズン開幕大会「2016春季リーグ戦」。7日目(3月26日)は、大学伝統の一戦「高麗大×延世大」の今季初試合がおこなわれ、終了直前のPGで高麗が19-18と逆転し、リーグ戦優勝も決めた。
高麗が16-10とした後半35分すぎ、延世はFBの縦突破から右WTBへつなぎ16-15と1点差に迫る。
後半38分、延世が高麗ゴール前ラインアウトからラックで執拗に攻めると、高麗は30分以降、3人目のシンビン(一時的退場)を出した。この反則で、延世SOが冷静にPGを決め16-18と逆転。これで終わりかと思われた。
しかし、高麗は最後の攻めを仕掛け、延世陣内へ入る。22メートルの外側で延世が痛恨の反則を犯す。
ここでフルタイムのホーンが鳴った。
高麗は迷わずPGを選択。この日、これまで1トライ1ゴール3PGと、高麗の全16得点をあげていたFBハン・ガミンが確実に成功し、逆転勝利を収めた。
両校の対決は、昨年は高麗が3連勝。春季のコリアンリーグは28-22、7月の2大会は、ソウル市長旗大会が15-13で、大統領旗大会は22-18だった。
だが最も重要な定期戦(9月)は延世が24-21で高麗を下し、2013年以来の連敗を8でストップしていた。
秋の悔しさをはらした金聖男(キム・ソンナム)高麗大監督は「昨年の有力選手が卒業して戦力はおちていた。選手たちがタックルなど一生懸命に練習してきた結果が出た」とし、今後は「早稲田大との交流などを通じて強化していく」と話した。
両校には日本のファンにもお馴染みの顔が指導者として加わっていた。高麗のFWコーチは、昨年就任した李光紋(イ・グァンムン。東芝/トヨタ/サントリー)と、スポットでライバル延世大OBの朴誠球(パク・ソング。クボタ/NEC/ヤマハ)。一方、延世大には今季からBKコーチでSH出身の李明根(イ・ミョングン。クボタ/ワールド)が加わった。
韓国代表で同時期をすごし日本のラグビーを熟知している彼ら若手指導者が、選手をどのように鍛え成長させていくかも、今季の両校の熱い戦いを支えるだろう。
(文:見明亨徳)