ラグビーリパブリック

ハードな環境を乗り越える。全員で信じ切る。立川理道、リーダーの自覚。

2016.03.25
本日発売のラグマガを手にツアーに向かう立川理道。

 頼もしいぞ。
 立川理道が言った。
「個人的には南アフリカ(勢)の方がやりやすい」
 ブルズ(3月26日/シンガポール)、キングズ(4月3日/ポートエリザベス)、ストーマーズ(4月9日/ケープタウン)、チーターズ(4月16日/ブルームフォンテイン)と続く、長く、ハードな旅。初勝利を目指すサンウルブズのミッドフィールドに立つ男がそう話したのは、シンガポールへと向かうフライトの直前だった(3月24日)。

 スーパーラグビーのレベルでも、パスもランもタックルも精度高くプレーできている。ピカイチの安定感でBKラインを牽引する。
「(オーストラリア・フランチャイズの)レベルズは前半を戦った後、後半にはこちらの強みを消してくるようなところがありました。南アフリカのチームは、どちらかというと直線的な強みを出してくる。だから、個人的には南アフリカ(勢)の方がやりやすいですね」
 開幕からの3試合すべてで13番を背負った男が、強く勝利を欲している。

 3週間におよぶ長いツアーの最初、シンガポールで初勝利を挙げ、残りの日々に勢いをつけたい。ターゲットであるブルズの印象をこう話す。
「大きなFW。はやいBK。キックをうまく使ってくる。オーソドックスに強いと思います」
 そんな相手をやっつけるイメージはある。ボールインプレーの時間を増やす。相手のフィットネスが落ちたところで勝負をかける。そして反則をしない。当たり前のことではあるが、パワフルな相手との戦いは、当たり前のことを当たり前にやって初めて勝負になる。基本プレーをどれだけ正確に、はやく、パワフルにやれるかだ。
 そのためには、シンガポールでは暑さに対応し、南アフリカに渡ってからは時差に適応しなければ。そうでないとベストコンディション、ベストパフォーマンスは出せない。前回のシンガポールでの試合では足がつりそうになった。汗でボールが滑った。
「そのあたりの対策はチームとしてやっています。2週間前、一度シンガポールでプレーできているのはアドバンテージになると思っています。前回の試合ではキンさん(LO大野)が脱水症状近い状態になったようですが、今回は水分の摂り方も工夫します。試合前日から小まめに摂取するつもりです」

 南アフリカに向かうときの時差対策もある。睡眠を助けるサプリメントの摂取。そして、さらに細かな工夫も。
「シンガポールを発つときに、時計を南アフリカの現地時間に合わせるアドバイスもありました。そのときから、生活リズムを慣らしていく」
 スーパーラグビーでは、環境を乗り越えた者のもとへ勝利が訪れる。
 リーダーのひとりとして、「キャプテン(堀江翔太)だけでなく、僕らもチームを支えていきたい」と責任感を口にする。
「このツアーの中、特にアウェー戦の勝つと大きなものを得られると思います。勝つチャンスはある。それを全員で思えたら結果はついてくる」
 3月26日のブルズ戦でも先発、13番をつけることが発表された。小まめな水分摂取など、勝利への準備は着々と進められている。

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