ジャガーズのクレービー主将(写真左)にアドバイスするアルゼンチン代表のオルカデHC
(Photo: Getty Images)
日本のサンウルブズと同じく、今年からスーパーラグビーに初挑戦しているアルゼンチンのジャガーズは、現地時間19日に地元ブエノスアイレスで初めて勇姿を披露したが、ファンと一緒に勝利を喜ぶことはできなかった。過去5年間で優勝を2回遂げているチーフス(ニュージーランド)に26-30で惜敗。
チーフスは、日本代表のルースFWリーチ マイケルとPR山下裕史がそろって先発し、初めての南米遠征で勝利に貢献した。
昨年のワールドカップで4強入りしたアルゼンチン代表の3分の2(20人以上)がスコッド入りしているジャガーズ。スーパーラグビー参戦初年度から優勝を争うのではないかと注目され、開幕節(チーターズ戦)ですでに1勝目を挙げている。しかし、南アフリカ遠征の第2戦でシャークスに4点差で敗れ、歴史的なホーム初開催で白星を先行させたい一戦だった。
スクラムはジャガーズが優勢。テンポのいい展開ラグビーはワールドカップを思い出させた。前半12分にラインアウトモールで主将のHOアグスティン・クレービーがこの試合の初トライ。勢いに乗るかと思われた。
しかし、3年ぶりの王座奪還をめざすチーフスはすぐに取り返す。16分、ジャガーズのミスから22メートルライン内でのチャンスとなり、WTBサム・マクニコルが5点を獲得。19分には敵陣深くで相手ボールラインアウトをNO8リーチがスチールし、FBダミアン・マッケンジーのトライにつながった。
その後、ジャガーズがPGを重ね14-13とリードして前半を終えたが、チーフスは後半早々にショットで逆転。52分(後半12分)にはバックスがスピーディーにつないで駆け上がり、WTBジェームズ・ロウがフィニッシュして9点差に拡大した。
体を張って献身的なプレーを続けたチーフスのPR山下は60分に交代。リーチは最後までフィールドに立ち、力強いランやピンポイントタックルでチームを鼓舞した。
追うジャガーズも勝利への執念を見せた。71分、SHマルティン・ランダホのトライとゴールキック成功で2点差に詰める。そしてリスタート後、自陣深くから回して突破とオフロードの連続、最後はボールを受けたWTBマティアス・モローニが80メートルアタックを締めくくり、26-23と逆転してエスタディオ・ホセ・アマルフィターニに集まった大観衆を熱狂させた。
しかし、最後の笑ったのはスーパーラグビーの経験豊かなチーフスだった。魂のこもったタックルを繰り返すジャガーズに対して必死にボールをつなぎ、77分、SHブラッド・ウェバーが逆転トライ。リスタートはあったがチーフスがボールをキープし、まもなく、熱闘はノーサイドとなった。
3勝1敗(勝点14)となったチーフスはオーストラリア/ニュージーランド・グループの首位に浮上。ジャガーズは7点差以内の敗戦だったためボーナスポイントを獲得し、1勝2敗の勝点6で南アフリカ・グループ5位(アフリカ2 カンファレンス3位)となっている。