スーパーラグビー開幕節でプレーしたサンウルブズのアンドリュー・ドゥルタロ
(Photo: Getty Images)
日本の大学に学んだアメリカ代表FLのアンドリュー・ドゥルタロが、今季のスーパーラグビーで2戦連続の先発を果たす。世界随一の国際プロリーグにこの国から初参戦するサンウルブズにあって、3月12日のチーターズとの第3節(シンガポール・ナショナルスタジアム)で背番号7をまとう。バイリンガルのバイプレーヤーとして、存在感を示す。
2月27日、東京・秩父宮ラグビー場。クラブの歴史的初戦にあって、ドゥルタロはたけだけしい軟体動物だった。敵と味方の動きを観ながら左右に動き、目の前の接点に入る直前、胸やひざが地面につきそうなほど低い姿勢を取る。相手の持つ球に絡む。「それは自分の強み。だから、もっとそのエリアで頑張りたい」。昨季15チーム中8位だったライオンズに13-26と応戦する。身長187センチ、体重102キロの図太い体躯で、密集の根っこに棲みついた。
フィジー人の両親がニューヨークへ留学した際に生まれた28歳のドゥルタロは、栃木の白鴎大で学んだこともあり日本語も上手だ。国際選手としては、出生国の7人制、15人制の代表として活躍する。昨秋の15人制ワールドカップイングランド大会では、ジャパンとも対戦している(10月11日/グロスター・キングスホルムスタジアム/●18-28)。田邉淳アシスタントコーチが「どこにもないミックスカルチャーのチームができるのでは」と期待するサンウルブズにあっては、文化の融合のバイパス役となりうる。
今季は7人制の選手として、8月のオリンピックリオデジャネイロ大会をターゲットとする。もっともいまは、世界最高クラスの舞台を楽しんでいるようだ。ライオンズ戦の直後、こう話していた。
「最初の日本のチームでの、最初の試合。楽しかった。これをスタートラインにしたいです。この試合をスタンダードにして、もっとビルドアップしていく」
今季は18チームで争うスーパーラグビーにあって、初めての遠征で初めての白星を狙いたい。
(文:向 風見也)