ラスベガスで健闘した男子セブンズ日本代表。写真は大会2日目、フィジーとのカップ準々決勝
(Photo: World Rugby/Martin Seras Lima)
ラスベガスセブンズ(アメリカ)でベスト8入りを果たした男子セブンズ日本代表は、カップ準々決勝でフィジーに敗れた翌日(現地時間3月6日)、プレートトーナメントに臨み、同準決勝でケニアに19-14で逆転勝ちした。ワールドカップ・セブンズで過去2大会連続4強入りしている強豪のケニアを日本が倒したのは、2011年のゴールドコーストセブンズ(オーストラリア)以来。
プレート決勝ではニュージーランドと対戦し、2試合連続の金星を狙ったが、7-27で敗れ、トロフィー獲得はならなかった。それでも、ワールドラグビーセブンズシリーズの大会で6位という結果は、2000年ジャパンセブンズの5位(プレート優勝)に次ぐ好成績である。
強風のなかでおこなわれたラスベガスセブンズの最終日。プレート準決勝でケニアに先制された日本だったが、前半4分過ぎにレメキ ロマノ ラヴァがフィジカルの強さを活かして突破し、同点に追いついた。
7-7で迎えた後半1分には、徳永祥尭がディフェンダーをひきつけ鮮やかなパスで右タッチライン沿いの安井龍太につなぎ、トライ。その後、ケニアにキックをうまく使われ勝ち越しを許したものの、残り時間1分を切ったところでレメキが自陣から突破、トゥキリ ロテ、豊島翔平とつなぎ、逆転トライを決めて勝利を収めた。
プレート決勝では、過去16シーズンで12回も総合優勝している常勝軍団のニュージーランドに挑んだ日本だが、セブンズ経験豊富なDJ・フォーブスやカート・ベイカーなどに計5トライを重ねられ、完敗。日本はタックルミスが多く、流れを引き寄せることができなかった。それでも、後半5分に辛抱強くつないで副島亀里 ララボウ ラティアナラがトライを挙げ、一矢を報いた。
6位という成績について瀬川智広ヘッドコーチは、「各チームともオリンピックに向けて新しいメンバーや戦術を試している段階でのものであり、オーストラリア、フィジー、ニュージーランドといった世界のトップレベルのチームには大差で敗れている。この差を埋めるためにもチーム全員が世界で勝つために更に高い意識でトレーニングにのぞまなければならない」とコメント。そして「4月の昇格大会では今大会の経験を生かして必ず優勝し、再びワールドシリーズの舞台に復帰する」と語った。
桑水流裕策キャプテンは、「目標としていたベスト4には届くことができませんでした。ただ、プレートのファイナルまで行けたことはこの12人にとって、とても良い経験になったと思います」と大会を振り返った。
ラスベガスで頂点に立ったのはフィジー。カップ決勝ではオーストラリアと対戦し、前半は1人がイエローカードをもらって3連続トライを奪われリードされた。が、次第に追い上げ、14-15で迎えた後半6分過ぎ、ピンチを脱出して自陣インゴールから回し、サヴェナザ・ラワザが約100メートルを走り切り、21-15の逆転勝利で栄冠を獲得した。
フィジーは開幕ラウンドのドバイ大会に続いて今季2冠目。2季連続の総合優勝へ向けて、ランキングは単独トップに立った。
ワールドラグビーセブンズシリーズの今季第6ラウンドは、3月12、13日にカナダのバンクーバーで開催される。コアチームではない日本は同大会には参加せず、今年のオリンピック開催国であるブラジルが招待チームとして出場する。
<2015-16 ワールドシリーズ 第5戦・ラスベガス大会/決勝トーナメント結果>
▽カップ準々決勝(1〜8位)
・アメリカ 26-14 ケニア
・フィジー 43-7 日本
・南アフリカ 14-7 ニュージーランド
・オーストラリア 26-12 アルゼンチン
▽カップ準決勝
・フィジー 21-14 アメリカ
・オーストラリア 14-12 南アフリカ
▼カップ決勝(優勝決定戦)
・フィジー 21-15 オーストラリア
▼3・4位決定戦
・南アフリカ 21-10 アメリカ
▽プレート準決勝(5〜8位)
・日本 19-14 ケニア
・ニュージーランド 24-19 アルゼンチン
▼プレート決勝(5・6位決定戦)
・ニュージーランド 27-7 日本
▽ボウル準々決勝(9〜16位)
・スコットランド 17-12 サモア
・フランス 21-19 イングランド
・ウェールズ 31-12 ポルトガル
・ロシア 19-10 カナダ
▽ボウル準決勝
・フランス 15-14 ロシア
・ウェールズ 21-14 スコットランド
▼ボウル決勝(9・10位決定戦)
・ウェールズ 28-14 フランス
▽シールド準決勝(13〜16位)
・カナダ 24-7 イングランド
・サモア 29-14 ポルトガル
▼シールド決勝(13・14位決定戦)
・サモア 24-12 カナダ