イングランド代表のエディー・ジョーンズHC(Photo: Getty Images)
ラグビーのヨーロッパ最強国決定戦である「シックス・ネーションズ」はすでに中盤。2月26日、27日に第3節を迎えようとしている。現在2連勝で首位に立ったのは、2015年のワールドカップで開催国ながらプールステージ敗退の憂き目を見たイングランドだ。
昨年11月、ラグビーの「母国」の代表チーム指揮官に、前日本代表ヘッドコーチでオーストラリア出身のエディー・ジョーンズが、イングランド初の外国人ヘッドコーチとして就任した。
その初采配となったシックス・ネーションズでは、開幕からスコットランド(15-9)、イタリア(40-9)と、格下の相手ながらアウェーで連勝し、弾みを付けた。
もちろん、ジョーンズHCは中長期的に2019年ワールドカップまでの強化プランを練って指導しているものの、お互いの意地とプライドがぶつかりあう伝統の大会、シックス・ネーションズの1試合、1試合も負けるわけにはいかない。
第2節のイタリア戦後、ジョーンズHCは「シックス・ネーションズ開幕からの2戦2勝は、願ったり叶ったりです。今日の試合は自信を持てた。新しいイングランド代表を結成してから数週間が経つが、今日の結果には満足している」とコメントした。
ただ、イタリア戦では前半は特に苦戦しており、11-9と2点しかリードできずに折り返した。これについては、ジョーンズHCは「初めは選手が抑え気味に入ったこともあって、相手にペナルティを与えてしまった」。
そして、「(前半は)我慢を強いられていたかもしれない」と反省しつつも、「後半は戦術的、作戦的にもうまくいったからこそ、楽に勝てた」と40-9で快勝した試合を振り返った。
実際、激しいディフェンスからチャンスをつかみ、昨年の同大会トライ王のCTBジョナサン・ジョセフが、後半だけでハットトリック(3トライ)を達成する大活躍を見せた。
ジョーンズHCは「初戦と比べると、ジョナサン・ジョセフにはチャンスが多くて、いいプレーをした」と言いつつも、「23人全員の奮闘がすばらしかった」と選手全員を称えた。
「ポジション別に見ていけば、SHベン・ヤングスがスタメンでいい仕事をし、FBマイク・ブラウンも先発で出てすばらしい動きをしてからベンチに戻ってきた。各ポジションそれぞれの選手が良い仕事をした」
そして、いよいよ第3節。ジョーンズHCは、ホームである「ラグビーの聖地」トゥイッケナムでの初采配を迎える。しかも相手は、一昨年、昨年とシックス・ネーションズを連覇中のアイルランドである。
アイルランドは今大会で、初戦はウェールズと16-16で引き分け、第2節ではフランスに9-10と敗れてしまった。ここでイングランドに負けてしまうと3連覇の道は閉ざされてしまう。この試合に、一戦必勝の気持ちで乗り込んでくるはずだ。
迎え撃つイングランドのジョーンズHCは「イタリア戦では確かに、少なからず自信を持つことができた。完全に思いどおりのプレーができたわけではないが、内容はよかった」とチームに対して一定の評価を与え、「アイルランドは過去3年間、ヨーロッパラグビーを引っ張ってきたチーム。今から対戦するのが楽しみだ」と心待ちにしている。
イングランドは2011年以来の優勝だけでなく、2003年以来のグランドスラム(全勝優勝)に近づくことができるか。ジョーンズHC、そしてイングランドにとっての真価が問われる大一番となろう。
イングランド対アイルランドは2月27日(土)、WOWOW ライブで深夜1:40から生中継される。