日本選手権から6日後。LIXIL CUPファイナルからも2週間。前週のNZ・ウェリントン大会でケガ人が相次いだこともあって、1週間前とも大きく異なるメンバー構成になった。当初は予定されていなかったリオデジャネイロ五輪に向けたスコッド以外からも招集(=鶴ヶ?好昭)しなければならない事態だった。
なかなかチームとして機能させるのが難しい条件での戦いとなったワールドラグビーセブンズシリーズ第4戦の豪州・シドニー大会。男子セブンズ日本代表は、「アタックに関してはほぼ何もやっていない状態」(瀬川智広ヘッドコーチ)と、ウェリントン大会同様、世界で勝っていくためのディフェンス強化にフォーカスして戦いに臨んだ。しかし、5戦5敗に終わった。
イングランド、米国という世界トップを狙えるチームには一度もリードすることなく完敗したものの、プール戦3試合目以降は違った。ウエールズ、ポルトガル、ロシアに対し、いずれも前半に日本が2トライを決めた。リードするか同点で折り返す展開だった。ただ、後半粘り切れずに敗れた。
「これが現状。自分たちの現状を知ることができたのは良かったが、まだまだ大きく差があることを突きつけられた」
昨季はチームキャプテンとしてワールドシリーズを転戦し、ウェリントン大会ではツアーキャプテンを務めた坂井克行は、オリンピックまで半年ある今の時点で現状を把握できたこと自体はプラスに捉えているが、世界との差は相変わらず大きいという認識でいる。
「まずはタックル」
デイフェンスにフォーカスした戦いで1勝も挙げられなかった原因に関して、坂井はシンプルにそう答えた。
「やっと追いついたと思ったら、弾かれたり、タックルシチュエーションに追い込んだときのスキルも足りない」
その一方で、チームディフェンスも「やろうとしていたことができなかった」という。
「上がるデイフェンスやろうという話だったのに、その機会がなかなかなかった。チャレンジしようと掲げたのに何もさせてもらえなかった」
前述のとおり、後半の勝負どころで失点を重ねた要因に関しては「勝負強さ。ここ一番というところでスイッチが切れてしまう」と話した。集中力の問題などを指摘する一方、やはり個々のタックルとチームディフェンス双方が身についてないことが根底にあるとも言った。
「試合が拮抗してくればくるほど、強いチームは慌てない。その余裕は自分自身のタックルスキルへの自信からくるもの。それに対してジャパンはタックルするので精一杯。体がしんどくなった時に一生懸命になりすぎて、ひとりがボール追いすぎたり。チームで声を出しながら、コネクションを保つことができていない」
チャレンジできた時間帯の中では、上がるディフェンスがうまく機能した部分もあった。だから「絶対的な差ではない」のだが、機能する時間が足りない。
「ピークを8月に持っていくということを考えると、いまはトレーニング期間。この2大会もトレーニングの位置付け。今回、勝てなかったこの悔しさ持っているメンバーのアドバンテージは絶対ある」
すでに3月3日〜5日のラスベガス大会(アメリカ)への参加が決まっている。国内合宿を経て挑む同大会。シドニーで明らかになった課題を意識して、「絶対的ではないが、大きな差」を詰める作業が続けられる。