昨年のワールドカップは南半球勢がベスト4を独占した。屈辱と悔し涙を味わった欧州勢。あれから約3か月が経ち、誇りを取り戻す戦いが始まる。
欧州強豪6か国による「シックスネーションズ」が現地時間2月6日に開幕。途中ブレイクをはさみ、3月19日まで熱闘は続く。
スポーツの賭け事を対象とした大手ブックメーカーのオッズを見れば、優勝候補の一番手は名将エディー・ジョーンズ(日本代表前ヘッドコーチ)が指揮官となったイングランドだ。対抗馬はウェールズで、3連覇を狙うアイルランドは3番手。そしてフランス、スコットランド、イタリアと続く。
6か国中、世界ランキングがもっとも低いのはイタリアだ。日本より2つ下の12位。昨年のシックスネーションズではスコットランドを倒して5位だったものの、2000年の初参戦以来、80試合戦ってわずか12勝しかしておらず、イングランドには一度も勝ったことがない。
昨年のワールドカップではまたしても悲願のベスト8入りを逃し、2011年から指揮を執ってきたジャック・ブリュネル ヘッドコーチは今大会を持って退任する。ユーティリティBKのアンドレーア・マージなどレギュラークラスが10人負傷しており、上位争いは難しいかもしれないが、情熱あふれる戦いが期待される。
スコッドには10人のテストマッチ未経験者を招集した。開幕試合のフランス戦ではノンキャッププレーヤー4人が先発でデビューする。イタリア代表のスクラムは欧州一と高評価する人も多く、115キャップを重ねた34歳のPRマルティン・カストロジョヴァンニが代表にいるうちに若手は多くを吸収したい。
同国が誇るもうひとりの英雄、主将のNO8セルジョ・パリッセは、ワールドカップでは怪我で不完全燃焼に終わっており、復活した今大会でリベンジを期す。
欧州2番手グループに位置づけられているジョージアがワールドカップでの健闘もあって強豪グループ(シックスネーションズ)入りをアピールしており、ランキングでも肉薄されているイタリアはふがいない戦いはできない。