ワラビーズで58キャップを持つクウェイド・クーパー。セブンズでも輝きたい
(Photo: Getty Images)
今週土曜日に開幕するシドニーセブンズ(ワールドラグビーセブンズシリーズ2015-16・第4ラウンド)で7人制デビューが期待されたオーストラリアのファンタジスタ、クウェイド・クーパーだが、チームに合流したばかりで十分な準備ができていないため、同大会には参加しないことになった。
2月4日、オーストラリアラグビー協会はシドニーセブンズに臨むスコッド12名を発表。クーパーがメンバー入りを逃した一方、同じく15人制のスターで昨年のワールドカップでもプレーしたヘンリー・スペイトは選ばれている。スペイトは先週のウェリントン大会は欠場したものの、12月のドバイ大会でセブンズデビューを果たしており、優勝をめざす地元ラウンドでスコッド復帰となった。
リオデジャネイロオリンピック出場と金メダル獲得への思いを昨年から公言していたクーパーだが、ワールドカップ後はフランスのトゥーロンに新加入してプレーしており、セブンズ代表に合流するのは容易ではなかった。1月31日のスタッド・フランセ戦で先発して勝利に貢献したあと、急いでオーストラリアに飛び、今週水曜日にセブンズの新しい仲間とトレーニングをおこなったが、コーチ陣はセブンズ経験がないクーパーが15人制とは違ったハイスピードラグビーでプレーするにはまだ十分ではないと判断し、怪我のリスクも考慮してシドニー大会では使わないことを決めた。
しかし、アンデイ・フレンド新ヘッドコーチはクーパーをリオ五輪へ向けた大きな戦力と考えており、今回はセブンズのチームメイトと関係を築くことが重要だったと強調。クーパーは再びヨーロッパへ戻ることとなるが、3月のラスベガス大会で自らスポットを獲得できるよう、指揮官は期待している。ただ、セブンズに専念してきた選手たちもリオをめざしており、スター選手のクーパーであってもチーム内競争を勝ち抜かなければならない。
そして、欧州4連覇とフランスタイトルとの2冠を狙うトゥーロンにとってもクーパーは大事な戦力であり、リリース協力がうまくいくかどうかも気になるところだ。
リオ五輪まであと6か月。セブンズオーストラリア代表の最終スコッド14人は7月下旬に発表される予定で、クーパーはフレンド ヘッドコーチから、少なくともワールドシリーズ2大会に出場することを求められている。
地元でのデビューとはならなかったクーパーだが、セブンズへの意欲は衰えていない。「無駄な旅になったなんてまったく思っていない。セブンズ代表選手たちと会って、一緒にトレーニングができた。チームスポーツではその文化にフィットして、学び、チームメイトと一緒にうまくやっていくことがすごく重要だ。だから、シドニーに来て一緒に練習する機会を得られて嬉しかった。これから数か月、セブンズに適応できるよう努力する」と地元メディアに語った。
なおセブンズオーストラリア代表には、コカ・コーラレッドスパークスでのシーズンを終えたニック・カミンズも3月に合流する予定で、カミンズはワールドセブンズシリーズ終盤の4大会に出場するとみられている。