ラグビーリパブリック

大阪府警、気迫のタックルで「0-76」のリコー戦に魂込めた。

2016.01.30
懸命のチャレンジを終え、観衆にあいさつする大阪府警察の選手たち(撮影:?塩隆)
 全選手が警察官という大阪府警は、1月30日、日本最高峰であるトップリーグ(TL)の入替戦に出場。埼玉・熊谷ラグビー場でリコーに挑み0-76と完敗も、低く鋭いタックルで存在感を示した。
 下部にあたるトップウェストの王者として臨み、対するNO8野口真寛主将に「トップリーガーと遜色ないタックルの出足を感じました」と言わしめた。自陣に押し込まれながらも、PR加堂雄吾らがランナーに突き刺さる。倒れた選手もすぐに起き上がり、相手がキックを蹴る前にカウンターアタックの陣形を作るなどボールを持たない時の機敏さでも魅せた。
 
 TLに居並ぶプロ選手や業務が免除される一部の社員選手と違い、普段は警察業務に携わっている。サッカー場でのフーリガン対策や祭事場での交通整理、暴力団の取り締まりに従事する一方、クラブ活動では栄養士の指導を受けながら食事管理を自主的におこなった。この日のタックルの強度を下支えした。SH大友健太郎主将は「タックルができるというだけではいけない」と次のステージを見据えながら、「身体を当てたことで、相手とどれくらいの差があるかが明確に分かった。来年もここへ戻ってきたい」と誓った。
 リコーのリザーブにいた現役オーストラリア代表のSOバーナード・フォーリーは、プロ選手対公務員と言った構図を「いつもにはない経験ができた。大阪府警のようなチームがきちんとラグビーに取り組んでいるということも、いいことだと思います」と笑って振り返った。
(文:向風見也)

同会場でおこなわれた入替戦もう1試合は、NECが三菱重工相模原を17-3で下し、TL残留を決めた。
(撮影:?塩隆)
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