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東芝は2人の山本が地を這う。24日、パナソニックとの決勝は地上戦に注目!

2016.01.23
準決勝のヤマハ発動機戦で力走する東芝のFL山本紘史(撮影:早浪章弘)
 日本最高峰であるラグビートップリーグのプレーオフ決勝戦が1月24日、東京は秩父宮ラグビー場でおこなわれる。3季ぶりのファイナリストとなった東芝が、2連覇中のパナソニックに挑む。FLには、山本紘史と山本浩輝という同じ苗字の2人が揃って先発。競技の勝敗を最も左右するとされる接点での攻防にあって、日本代表主将のNO8リーチ マイケルとともに身体を張る。
 背番号6をつけるFL山本紘史は、明大卒の7年目で29歳。身長183センチ、体重100キロと一線級では決して大柄ではないが、ラックで相手の持つ球に絡むジャッカルで存在感を示す。得意なプレーの要諦を、「(接点に腕を入れる)タイミング。(ボールが)見えた時に、と。あとは低さを意識してます」と述懐する。
 昨季は東芝の全15試合中8試合出場(7試合先発)に止まったが、今季はリーグ戦の7試合とプレーオフの2試合、すべてのゲームに先発してきた。冨岡鉄平監督は「どんどん自信をつけている。いまや世界に通じると思う」。リップサービスに近い言い回しではあったが、苦労人の成長を確かに評価する。
 ここまで元ニュージーランド代表のFLスティーブン・ベイツら実力者と定位置を争ってきた本人は、静かな口調で熱い決意を示す。
「チームには手本になる選手がたくさんいた。彼らの練習を観て、それと同じプレーをすれば一流に近づけると思っていました。ラグビーをやっている以上はトップレベルでやり続けたい。マイケルが世界で活躍したのを見ると、力になります。自分もチャンスがあれば、いつでも…」
 かたや背番号7の山本浩輝は、筑波大卒のルーキーで23歳だ。リーグ戦終盤から先発の座をつかみ、今回は5戦連続でスターターを務めることとなる。身長187センチ、体重95キロ。長い手足を活かして果敢にジャッカルを狙い、グラウンドを離れれば穏やかに笑う。
「ブレイクダウン(接点)の状況によって、(ジャッカルへ)入るか、入らないか…。そういう判断がチーム内にあります。チャンスがあれば、(密集からボールを)獲りたいですね。大一番なので。まずはタックルミスをしないで、仕事量(を増やしたい)。せっかくなので、自分らしくプレーしたいです」
 対するパナソニックにはNO8ホラニ龍コリニアシやHO堀江翔太ら優れたランナーが並び、FL西原忠佑、PR稲垣啓太と運動量豊富な黒子役も充実。FL山本浩輝は「僕から見たら相手は皆、キーマンみたいなものです。まずは目の前のプレーをしっかりと」と、決戦を心待ちにしていた。14時、キックオフ。
(文:向 風見也)
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