花園でも優勝を遂げ、見事3冠を達成した東海大仰星(撮影:毛受亮介)
湯浅大智監督率いる東海大仰星(大阪)が、1月11日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第95回全国高校ラグビー大会の決勝で、桐蔭学園(神奈川)を37-31で下し、2年ぶり4回目の優勝を遂げた。東海大仰星は今シーズン、公式戦無敗。春の全国選抜大会、夏の全国7人制大会も制しており、見事3冠達成で堂々の日本一に輝いた。1シーズンに高校全国タイトル3冠獲得は、昨年度の東福岡に続き2校目。
2年前と同じ組み合わせの決勝となり、そのときの悔しさを胸に成長してきた桐蔭学園は、最後まで必死にボールをつなぎ5年ぶり2回目の優勝をめざしたものの、一歩及ばなかった。
東海大仰星は立ち上がりのチャンスを確実にものにした。前半3分、敵陣でのラインアウトからフェイズを重ねてゴールに迫り、LO横井達郎が先制トライ。
桐蔭学園が11分にPGで3点を返したものの、仰星は14分、敵陣22メートルライン内で近場を突いたあと、左へ振って、キャプテンのFL眞野泰地がタックラーを弾き飛ばしてインゴールに飛び込み、相手に傾きかけた流れを引き戻した。
何度も好走を見せた東海大仰星WTB中孝祐。(撮影/早浪章弘)
堅守を武器とする仰星がこのまま波に乗るかと思われたが、桐蔭学園は執念を見せた。
20分、トライラインに迫ってFWが突進を繰り返し、PR石田楽人が相手の壁を破ってインゴールに押さえ、コンバージョン成功で2点差に詰める。
さらにリスタート後、桐蔭学園は確実にボールをキープして自陣から20フェイズを重ねゲインし、序盤から好走を繰り返していた2年生のCTB齊藤大朗が柔らかい身のこなしで突破、逆転トライを挙げた。
しかし、東海大仰星は28分、ゴール前スクラムからのアタックで、最後は大黒柱のFL眞野が粘り腰でゴールに持ち込み、ディフェンダーにからまれながらもしっかりとボールを押さえ、トライ。コンバージョンも決まり、仰星が19-17とわずかにリードして前半を終えた。
最後まで食らいついた桐蔭学園。PR石田楽人は終盤の2トライを含めハットトリック
(撮影:毛受亮介)
仰星は後半の立ち上がりもよく、3分、敵陣でのラインアウトからFWが縦を突いたあと展開し、CTB山本悠大がずらしてブレイクスルー、WTB中孝祐につないで大きな追加点を挙げた。その後も優勢にゲームを進めた仰星は、SO岸岡智樹のゴールキックで得点を重ね、15点差とする。
26分に桐蔭学園のPR石田がトライを決めれば、仰星はその2分後、WTB中が防御網を突き破って再びリードを拡大。粘る桐蔭学園がロスタイムに自陣から25フェイズ以上重ねてPR石田が意地のトライを挙げたものの、ミラクルを起こす時間はもう残っておらず、ノーサイド。歓喜したのは東海大仰星だった。