豪快な突進でトライを決めた桐蔭学園のLO石井洋介(撮影:毛受亮介)
第95回全国高校ラグビー大会のファイナル進出を決めたもう1チームは、花園で5年ぶりの優勝をめざす桐蔭学園(神奈川)だった。関東王者の桐蔭学園は、初のベスト4入りを果たした石見智翠館(島根)を46-31で下し、2年ぶり5回目の決勝進出。
準決勝第1試合では東海大仰星(大阪第1)が東福岡(福岡)との激闘を制しており、1月11日におこなわれる決勝は2013年度大会のファイナルと同じ顔合わせとなる。
準決勝第2試合で先制したのは石見智翠館。前半2分、自陣深くでのスクラムから、SH濱端拳士が持ち出して大きくゲインし、キックされたボールを今大会大活躍の2年生WTB仁熊秀斗がチェイスしてインゴールで押さえ、活気づいた。
しかし、7点を追う桐蔭学園はPGで3点を返したあと、前半14分にはハーフウェイ付近の左から抜けたWTB大木魁がキックを巧みに使って自らインゴールで押さえ、トライ。SH齋藤直人キャプテンの難しいアングルからのコンバージョンも決まり、流れを引き戻した。桐蔭学園は18分にも、高校日本代表候補であるパワフルなLO石井洋介が22メートルライン外から次々とタックラーを弾き飛ばしてゴールに突進し、追加点を挙げる。
食らいつきたい石見智翠館は、リスタートでボールを確保してテンポよく攻め込み、WTB平松祐人が穴をあけ、オフロードでもらったLO横井隼がトライを挙げて5点差に詰めたが、桐蔭学園は前半の残り時間でさらに3トライを追加。26分にFB床田聖悟が自陣から抜け出してフリーのWTB宮川翔太につなぎ得点すると、その数分後には相手のハンドリングエラーからアタックチャンスとなってCTB齊藤大朗がスコアラーに、さらに前半終了前には高校ジャパン候補のFB床田が軽快なステップとスピードでトライを決め、34-12で折り返した。
それでもあきらめない石見智翠館は、後半8分、CTB武田誠太郎が相手のキックパスをカットしてから大きくゲインし、サポートしたWTB小枝孝至がトライ。その後、桐蔭学園に突き放されても前を向き続け、26分には身長182センチの2年生CTB小幡将己が自陣からダイナミックに約60メートル走り切り、ロスタイムにもトライを奪い返したものの、結局、46-31で試合終了の笛が鳴った。
2010年度大会以来2回目の優勝をめざす桐蔭学園は、2年ぶりの決勝進出となり、そのときに苦汁をなめさせられた東海大仰星と再び対峙する。