高校ラグビー界屈指の横綱対決は東海大仰星に軍配(撮影:毛受亮介)
優勝候補同士の注目の大一番を制したのは、東海大仰星だった(大阪第1)。1月7日、東大阪市花園ラグビー場で第95回全国高校ラグビー大会の準決勝がおこなわれ、春の選抜大会、夏の7人制大会に続く今季3つ目の全国タイトル獲得をめざす東海大仰星が、前年度王者の東福岡(福岡)を24-22で下し、2年ぶり4回目の優勝に王手をかけた。
熱闘となった。先制したのは東福岡。前半4分にSO森勇登がPGを決めて3点を入れた。その後もボールをキープしていた東福岡だが、6分、落球したところを東海大仰星のNO8河野大地が拾い上げてゴールへ走り切り、逆転した。仰星のディフェンスプレッシャーは厳しく、9分にも東福岡のパスが乱れ、ルーズボールを確保した仰星が一気にたたみかけてLO横井達郎がインゴールにねじ込んだ。
18分にFWでゴールラインに迫った東福岡だが、仰星が守り切る。早めに点差を詰めたいモスグリーン軍団は21分にも22メートルライン内に入ったが、紺のジャージーの男たちがスコアを許さなかった。
東福岡がイージーミスを連発する一方、流れを引き寄せた仰星は28分にもラインアウトからのモールドライブで追加点を挙げ、19-3で前半を終えた。
だが、優勝5回の戦績を持つ東福岡は簡単には引き下がらない。ハーフタイムを経て、後半7分にラインアウトからモールで押し込み11点差とする。ミスが少なくなってテンポを取り戻した九州の雄は、さらに12分、CTB堀川優がブレイクしてインゴール中央近くまで持ち込み、トライ。コンバージョン成功で4点差に詰めた。
しかし、東海大仰星はリスタート後、WTB中孝祐がハードタックルで相手の落球を誘い、ムードを変えた。敵陣22メートルライン右付近でのスクラムから展開してFB福田一輝が中央突破し、速いリサイクルから左につないでWTB中がインゴールに飛び込み、24-15とリードを広げた。
それでも東福岡は24分、WTB廣渡将が自陣10メートルライン左から抜け、鋭いステップでディフェンダーをかわしてゴールまで走り切り、トライ。キック成功で24-22と粘る。
そしてロスタイム、突破力ある東福岡がフェイズを重ねて敵陣22メートルラインに迫ったが、東海大仰星がブレイクダウンでターンオーバーし、外に蹴り出してノーサイドとなった。
東海大仰星は前回大会の準々決勝で東福岡に大敗しており、1年後の花園で雪辱を果たした。