2015年12月のホンダ戦でタックルするサントリーのスカルク・バーガー(撮影:Hiroaki.UENO)
サントリーサンゴリアスで2年間活躍してきた南アフリカ代表のFL/NO8スカルク・バーガー(32歳)が、今シーズン限りで同チームを退団し、イングランドのサラセンズに加入することが明らかになった。プレミアシップの人気チームであるサラセンズが4日、南ア代表として86キャップを持つバーガーと2016-2017年シーズンからの2年契約を結んだと発表。今季ジャパンラグビートップリーグで彼が所属するサントリーはグループAで5位に終わり、8強によるLIXIL CUP進出を逃しており、9〜16位決定トーナメントがバーガーが日本でプレーする最後の試合になりそうだ。
バーガーは約12年におよぶスプリングボックス(南ア代表)のキャリアのなかで、第55代目のキャプテンも務め、2004年には21歳の若さでIRB(現 ワールドラグビー)の年間最優秀選手賞に選ばれた。ハードタックルを連発し、ブレイクダウンでも頼りになるファイター。突破力もあり、パススキルも高く、2007年ワールドカップで優勝を遂げたあと、南ア代表ヘッドコーチ(当時)のジェイク・ホワイト氏に「間違いなく、彼は私がコーチをしてきたなかで最高の選手」と言わしめた。
何度も大怪我を経験し、生命にかかわる深刻な神経系の感染症にも苦しんだ時期があったが、見事に復活して世界中のアスリートに勇気と希望を与えた。昨年は自身にとって4大会目のワールドカップ出場を果たし、全7試合に先発。ゲインラインを越えた数は参加全選手のなかで最多、タックル数は4位と奮闘し、プールステージで日本代表に敗れたものの、中心となって南ア代表を立て直して3位に導いた。スプリングボックスのFLとしてテストマッチ14トライは歴代最多である。
バーガーはサラセンズを通じ、「サラセンズに加わることができて嬉しいです。スペシャルなクラブの一員として、プレミアシップやヨーロピアンカップといった世界のラグビーにおける主要な大会でプレーする機会をもらい、とても興奮しています。私と家族にとってエキサイティングな挑戦であり、フィールドのなかでも外でもチームに貢献できればと思っています。すべてのサラセンズファンの前で、新しいチームメイトとともにプレーすることを楽しみにしています」とコメントしている。
チームメイトだけでなく相手選手からも尊敬されるナイスガイ(撮影:松本かおり)