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がまんした石見智翠館。関西学院下し初の花園4強!

2016.01.03
注目のシャイニングスター。準々決勝でも大活躍だった石見智翠館のWTB仁熊秀斗
(撮影:太田裕史)
 全国高校ラグビー大会で3季ぶりのベスト8入りとなった石見智翠館(島根)が、1月3日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた関西学院(兵庫)との準々決勝を33-8で制し、初の準決勝進出を決めた。
 関西学院の粘り強いディフェンスにスコアを阻まれ、がまんの時間帯が続いた。
 前半3分、石見智翠館は攻めたて、高校日本代表候補のパワフルなLO横井隼がゴールラインを越えたものの、関西学院のFB碓井恒平がグラウンディングをさせなかった。直後のスクラムからもう一度アタックし、再びLO横井がインゴールに突っ込みボールを押さえたかに思われたが、関西学院が必死に守りノートライの判定。
 自陣深くからの鋭いカウンターアタックも見せた石見智翠館だが、関西学院の堅守は続いた。
 しかし、石見智翠館は23分にようやく均衡を破る。U17日本代表のWTB仁熊秀斗が自陣10メートルライン中央からブレイクスルーし、敵陣22メートルライン手前でパスをもらったCTB小幡将己がハンドオフでタックラーをはらい、ゴール右隅に飛び込み先制した。
 だが、27分に石見智翠館キャプテンのFL岡山仙治が右太もも裏を痛めベンチへ下がり、雲行きが変わった。その直後、関西学院が追いつく。自陣右でのスクラムから左へ展開し、チーム一の俊足であるFB碓井が強気のランで50メートル以上を走り切り、同点トライ。5-5でハーフタイムとなった。
 5大会ぶりの4強入りをめざす関西学院は、後半4分にも途中出場WTB清田壮太郎が相手のトライを防ぎ、チームは緊張感を保ったまま、9分のPGでついに先行した。
 しかし、石見智翠館は集中力を切らさなかった。11分、ハイパントからのボールキープで攻撃を続け、キレのあるWTB仁熊―CTB小幡の2年生コンビでトライを奪い逆転した。さらに20分、ゴール前のラインアウトからモールで前進し、岡山キャプテンに代わって途中出場したバックローの中島俊輔が突っ込んでライン上にボールを押さえ、19-8とする。石見智翠館は26分にもトライを追加すると、試合終了間際には相手のパスミスから、この日大活躍のWTB仁熊がドリブルして大きく蹴ったボールを自らインゴールで押さえ、勝利。
 1990年創部の石見智翠館高校ラグビー部は、25回目の花園出場で初のベスト4となり、新たな歴史をつくった。