後半に修正して逆転勝利を収めた東海大。写真は先発NO8アタアタ・モエアキオラ
(撮影:松本かおり)
関東大学リーグ戦王者の東海大が、第52回全国大学ラグビー選手権大会の準決勝で明治大(関東大学対抗戦A)を28-19で下し、6大会ぶりの決勝進出を決めた。
1月2日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた準決勝第1試合。
序盤は明治大がボールをキープして攻め、9分、WTB成田秀平が右タッチライン沿いを抜けて先制した。
対する東海大は13分、トライゲッターのWTB石井魁が防御網を切り裂き、同点に追いつく。コンバージョン成功で逆転。
しかし18分、自陣深くでボールを回した東海大にノックオンがあり、こぼれ球を明治大のCTB梶村祐介が拾ってゴールへ持ち込んだ。19年ぶりの大学日本一をめざす明治はさらに23分、WTB紀伊皓太がトライ。プレーメーカー、FB田村熙の負傷交代により途中からFBに移動した成田が大きくゲインしたあと、テンポよく左へまわし、背番号11の紀伊が抜けたのだった。
堅守も発揮した明治大が12点リードしてハーフタイムとなる。
7-19で後半を迎えた東海大だったが、46分(後半6分)、敵陣でのブレイクダウンでターンオーバーし、俊敏なSH湯本睦がギャップを突いてゴールへ駆け抜けた。この試合、明治のしぶといモールディフェンスに前進を阻まれていた東海大だが、68分、途中出場NO8テビタ・タタフのパワーも加わって塊で押し切り、同点トライ。難しい角度からのSO野口大輔のゴールキックも決まり、東海大が逆転した。
勢いに乗る関東大学リーグ戦王者はさらに73分、左ひざの前十字靱帯断裂から復活したNO8タタフがゴール前中央でのモールから持ち出してゴールへ突進し、勝利を引き寄せる大きなトライを挙げた。
結局、明治大を後半0点に抑えた東海大が逆転勝利。2009年度大会以来の決勝進出となり、悲願の初優勝に王手をかけた。
<試合後会見コメント>
■明治大 丹羽政彦監督
4年生を中心にいいチームだったが、優勝に導くことができなかった。私の責任です。前半は想定内の展開に持ち込めたが、後半は勝負どころのセットを安定できなかった。
■明治大 中村駿太キャプテン
ペナルティマネジメント、エリアコントロールがうまくいかなかった。しかし、持っている力は出し切れた。
■東海大 木村季由監督
お互いに強味が似ている。選手たちとも真っ向勝負で行こうと話して試合に臨みました。
■東海大 藤田貴大キャプテン
前半、明治がウラのプレーを使ってきたのでやられた。でも、後半は落ち着いて戦えた。自分たちのラグビーを貫けた。