ラグビーリパブリック

スクラム、肉弾戦制し快勝! 東芝はサントリーに「我慢」をさせなかった。

2015.12.27
スクラムを組む東芝FW。写真中央が湯原祐希(撮影:松本かおり)
<ラグビートップリーグ グループA 第7節>
サントリー 14-25 東芝
(2015年12月26日/東京・秩父宮ラグビー場)
 東芝は伝統的に、スクラムや接点に活路を見出す。この日は素早い球出しとシェイプ(陣形)の連続形成を尊ぶサントリーに快勝。ハイライトの1つは前半18分。敵陣ゴール前でのスクラムを押し切り、相手の反則から認定トライを奪う。スコアを17-0とした。
 最前列中央で組むHO湯原祐希は、日本代表を陰から支えた入部10年目の職人肌だ。レギュラー陣を形成して3季目のPR陣と轍を一にしていた。相手の掛け合いを聞いた後輩の右PR浅原拓真に「相手が○○をしてきますよ」と問いかけられても、「いや、1時の方向へ真っ直ぐ」。まずFW8人一体でまとまる。構造上はまっすぐに等しい、やや右斜め前への圧力をかける。向こうの最前列のまとまりが欠けたと感じるや、そのまま一気に押し切る…。サントリーに入部1年目のHO北出卓也は、認定トライの場面など苦しみ続けたスクラム戦をこう述懐した。
「自分たちの下に潜られて、そのまま力で押された感じです。僕は湯原さんに対してどうするかに集中していたけど、湯原さんは味方に『こうして』と話したり、余裕があった」
 25-7で折り返して迎えた後半は、反則を重ね足踏みした東芝。ただ、要所では激しさを示した。
 LO小瀧尚弘は12分、対するジャパンのCTB松島幸太朗を上腕で掴み上げ、「相手の球出しを遅らせるのが自分の仕事」。しばし攻めの流れを絶たれたサントリーは、敗れて8強進出を逃す。「我慢してフェーズを重ねるのが自分たちのラグビーなのに…」とLO真壁伸弥主将は悔やむ。
(文:向 風見也)
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