サンウルブズ発表会見で抱負を語る山田章仁(撮影:松本かおり)
世界最高峰リーグのスーパーラグビーに初挑戦する日本チーム、サンウルブズの、2016年スコッドが12月21日に発表された。
今年のワールドカップで3勝1敗という歴史的偉業を達成した日本代表メンバーからは10人が選出。ジャパン歴代最多の96キャップを持つ37歳のLO大野均(東芝)、副将としてもチームをけん引したHO堀江翔太(パナソニック)、堀江と同じくレベルズでスーパーラグビー出場の経験を持つPR稲垣啓太(パナソニック)、そして強力なスクラムと安定したラインアウトで日本代表の快進撃を支えたPR三上正貴(東芝)、HO木津武士(神戸製鋼)、LO真壁伸弥(サントリー)も名を連ねた。バックスでは、南アフリカ代表戦の試合終了間際に落ち着いてアタックをコントロールし世紀の番狂わせを演出したSH日和佐篤(サントリー)、SO、CTBで名コンビとなる立川理道(クボタ)と田村優(NEC)、そして日本が誇るスピードスターのWTB山田章仁(パナソニック)もサンウルブズの一員として新たな舞台に立つ。
会見に出席した山田は「こうして盛り上がっているなかで、いまやらないでいつやるんだという思い。日本ラグビーのために、もっと言うと日本のために頑張っていきたい。勝負事なので、負けてもいい試合なんてひとつもない。素晴らしいリーグのスタートラインからプレーできるのは喜び。みんなで素晴らしいチームにしていきたい。みんなで誇れるチームに」と意気込みを語った。
そのほかの日本代表キャップ保持者では、HO有田隆平(コカ・コーラ)、PR垣永真之介(サントリー)、FL村田毅(NEC)、SH矢富勇毅(ヤマハ発動機)、CTB山中亮平(神戸製鋼)もスコッド入り。セブンズ日本代表の経歴を持つFB笹倉康誉(パナソニック)、元ジュニア・ジャパンのPR山本幸輝(ヤマハ発動機)、PR平野翔平(東海大学)、PR具智元(拓殖大学)、FL細田佳也(NEC)、SH井上大介(クボタ)、そして豊田自動織機ルーキーのFB山下一も選ばれた。
矢富は「世界最高峰のリーグに日本の初めてのチームとして参戦できることを楽しみにしている。礎を築けるように、仲間と一緒にしっかりやっていきたい。高い目標を持って戦う」とコメント。垣永は「個人としても、チームとしても、2019年に向けて素晴らしいチャンスをいただいた。目標は決勝トーナメント(プレーオフ)進出。負けることが嫌いなので、ひとつずつ目の前の敵を倒してチームの勝利に貢献したい」と抱負を語った。
外国出身選手は12人。
今年のワールドカップに出場した選手では、サモア代表の司令塔として奮闘し、サントリー7年目の今季もトップリーグで活躍しているSOトゥシ・ピシと、白鴎大出身のアメリカ代表FLアンドリュー・デュルタロが大きな戦力となりそうだ。
さらに、セブンズ日本代表の経歴を持つNTTドコモのCTBパエア・ミフィポセチ、宗像サニックスブルースに所属するサモア代表のLO/FLファアティンガ・レマル、昨季までNTTドコモでプレーしていた元南アフリカ代表のFBリアン・フィルヨーン、キングズ(南アフリカ)でスーパーラグビーの経験を持つ元アルゼンチン代表のFL/NO8トーマス・レオナルディもサンウルブズに入った。
日本と縁がある選手はほかにもおり、花園大出身で現在はリコーでプレーしているWTBアマナキ・ロトアヘア、トヨタ自動車所属のCTBデレック・カーペンター、そして、帝京大で副将を務めて大学選手権3連覇を遂げ、サントリーでもプレーしていたLOティモシー・ボンドも活躍が期待される。
ブルーズ(ニュージーランド)でスーパーラグビー出場の経験を持つLOリアキ・モリ、昨季までレッズ(オーストラリア)に所属していたLOエドワード・カーク、7人制フィジー代表でスキルを磨いたWTBジョン・スチュワートも楽しみだ。
サンウルブズは来年2月27日に東京・秩父宮ラグビー場で、ライオンズ(南アフリカ)と歴史的な第1戦を戦う。
<2016 サンウルブズ スコッド>
【PR1】
三上正貴(東芝ブレイブルーパス/2015RWC日本代表 32キャップ)
稲垣啓太(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 10キャップ)
山本幸輝(ヤマハ発動機ジュビロ)
【HO】
堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 42キャップ)
木津武士(神戸製鋼コベルコスティーラーズ/2015RWC日本代表 41キャップ)
有田隆平(コカ・コーラレッドスパークス/日本代表 9キャップ)
【PR3】
垣永真之介(サントリーサンゴリアス/日本代表 6キャップ)
平野翔平(東海大学)
具智元(拓殖大学)
【LO】
大野均(東芝ブレイブルーパス/2015RWC日本代表 96キャップ)
真壁伸弥(サントリーサンゴリアス/2015RWC日本代表 34キャップ)
ティモシー・ボンド(ベイ・オブ・プレンティ/元 日本A代表)
リアキ・モリ(前ブルーズ/元U20トンガ代表)
エドワード・カーク(前レッズ)
【FL/NO8】
村田毅(NECグリーンロケッツ/日本代表 5キャップ)
細田佳也(NECグリーンロケッツ)
アンドリュー・デュルタロ(2015RWCアメリカ代表 12キャップ)
トーマス・レオナルディ(前トゥールーズ/アルゼンチン代表 18キャップ)
ファアティンガ・レマル(宗像サニックスブルース/サモア代表 15キャップ)
【SH】
日和佐篤(サントリーサンゴリアス/2015RWC日本代表 51キャップ)
矢富勇毅(ヤマハ発動機ジュビロ/日本代表 16キャップ)
井上大介(クボタスピアーズ)
【SO】
立川理道(クボタスピアーズ/2015RWC日本代表 43キャップ)
トゥシ・ピシ(サントリーサンゴリアス/2015RWCサモア代表 28キャップ)
【CTB】
田村優(NECグリーンロケッツ/2015RWC日本代表 35キャップ)
山中亮平(神戸製鋼コベルコスティーラーズ/日本代表 4キャップ)
パエア・ミフィポセチ(NTTドコモレッドハリケーンズ/日本A、7人制日本代表)
デレック・カーペンター(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
【WTB】
山田章仁(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 15キャップ)
アマナキ・ロトアヘア(リコーブラックラムズ)
ジョン・スチュワート(元U20フィジー代表)
【FB】
笹倉康誉(パナソニック ワイルドナイツ/7人制日本代表)
山下一(豊田自動織機シャトルズ)
リアン・フィルヨーン(グリクアス/南アフリカ代表 0キャップ)
入場するやいなやシャウトしてこの日一番の注目を浴びた垣永真之介(撮影:松本かおり)
<スーパーラグビー海外クラブに所属する日本代表選手> ※ 2015年12月21日時点
■SH 田中史朗(ハイランダーズ・NZ/パナソニック/2015RWC日本代表 53キャップ)
■CTB マレ・サウ(ブルーズ・NZ/ヤマハ発動機/2015RWC日本代表 26キャップ)
■FL/NO8 リーチ マイケル(チーフス・NZ/東芝/2015RWC日本代表 47キャップ)
■FL/NO8 ツイ ヘンドリック(レッズ・AUS/サントリー/2015RWC日本代表 36キャップ)
■FB 五郎丸歩(レッズ・AUS/ヤマハ発動機/2015RWC日本代表 57キャップ)