エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは4年かけてチームを一つにした。就任当初から気を配ったのは、英語を母国語とする選手たちが3分の1近くを占めるということ。そのために、例えば食事の時は、外国人、日本人同士の席にならないルールを設けるなど、垣根を取り払うことから始めた。
そして4年後、決戦の地、イギリスに入ってからの最終局面で活躍したのが、中央にJAPAN WAYと書かれたジグソーパズルだ。使用方法は、選手、スタッフ全員が試合の3日前にパズルの1ピースを持ち帰り、試合前日のミーティングまでに全員がピースを置き、最後にリーチ主将が自身のピースをはめ込み、完成させるというものだ。
そのパズルからどのピースを取ってもよかった。そして、試合への準備ができて、戦う決意の固まった人だけが部屋にピースを置きに来る。約1か月の期間、ピースをなくすことなくやり遂げるというのがチームの責任とされた。
「あのパズルを完成させてから試合に臨む、このサイクルでチームがひとつになりました。言葉でひとつにしようとしても、人数が多ければ多いほど難しいものです。パズルという形にして、ワールドカップに臨んだのは間違いなくプラスでした」と五郎丸も振り返った。
■12月19日、スポーツアルバム『五郎丸歩』発売。特別付録がそのパズル