頼りになる1年生、アマト・ファカタヴァのもとへ駆け寄る大東大の選手たち(撮影:?塩隆)
<全国大学選手権大会 セカンドステージ 第1節>
筑波大(関東対抗戦A・3位) 22-31 大東文化大(関東リーグ戦1部・4位)
(2015年12月13日/東京・秩父宮ラグビー場)
筑波大は受け身になっていた。
11月29日の関東大学対抗戦Aの試合では相手ボールの接点へ束で圧力をかけ、大学選手権6連覇中の帝京大を20-17で撃破。しかしこの午後は、その看板たるプレーが影を潜めたか。トンガにルーツを持つ大砲を3人も先発させた大東大を前に、「帝京大戦ではダブルタックル(2人がかりでランナーを止める動き)からプレッシャーをかけた。でも本日は、そもそもダブルタックルに行けなかった」とPR橋本大吾主将は言う。
攻めても、ランナーが守備網を破った先で流れが止まる。大味な試合をする傾向のあった大東大が鋭く前に出てタックルし続けるのに対し、「単調な攻撃で攻め疲れをして、より狙われやすくなる負の連鎖に…」とは、日本代表のWTB福岡堅樹だ。自身も前半9分、持ち場と逆の右サイドの人垣をすり抜けるも、捕まった先でWTBラトゥ クルーガーに絡まれた。球を手離さぬノット・リリース・ザ・ボールの反則を犯した。
躍ったのは大東大だ。前半12分、キックを捕るや守備網の凸凹をえぐったSH小山大輝がWTBラトゥへパス。最後はこの日好調のNO8アマト・ファカタヴァが止めを刺す。12-10。以降、リードを保った。
NO8ファカタヴァは27分にも好ランでCTB戸室達樹のトライを演出。後半2分にも左タッチライン際でのオフロードパスで得点を導くなど、強さと速さと上手さを示した。
そして後半39分、SH小山がタックル。「リロード(倒れてもすぐに立つ)の意識」で落球を誘い、試合を締めたのだった。
(文:向 風見也)