マン・オブ・ザマッチに選ばれたパナソニックのFB三輪忠寛(撮影:BBM)
<ラグビートップリーグ グループA 第3節>
パナソニック 59-28 リコー
(2015年11月29日/群馬・太田市陸上競技場)
前半30分頃だ。2連覇中のパナソニックが、昨季9位で開幕2連敗中のリコーの猛攻を浴びる。タックラーが接点に止まるノット・ロール・アウェーの反則がかさみ、CTB林泰基が「チームの反則の連続」で一時退場となる。
リコーは好機を、逃す。
トンガ出身のFW陣が接点の脇を攻め、球を散らし、SOバーナード・フォーリーが左隅へパスを放つが…。受け手のWTB長谷川元氣は「チャンスを崩した」。落球する。
パナソニックは一転、直後のラインアウトでロングボールを放ってNO8ベン・マッカルマンらが直進。リコーの反則でペナルティゴールを奪う。24-7とし、難局を脱した。
終盤こそリコーはリーグ戦のボーナスポイント獲得にあたる4トライを奪取も、攻めの連続性で上回ったのはパナソニックか。
後半10分にはWTB山田章仁がしなやかに中央突破。敵陣22メートル線上右までひらひらと駆けると、手早く陣形を作った仲間が左右に展開。最後はNO8マッカルマンが好ステップでゴールラインを割った。続く19分には、敵陣中盤左でWTB山田がハイボールを捕球。ラン。その逆側に並ぶ面子が、PRヴァルアサエリ愛らの加点を誘った。
38-14。ここで勝負はあった。
「1人ひとりが組織を理解し、役割を果たし、周りが反応している」
3連勝を飾ったロビー・ディーンズ監督は、クラブの真骨頂を示すのみ。敗れた神鳥裕之監督は、「パス、キャッチ、タックル…。プレーの精度が大事」と再認識した。
(文:向 風見也)