ラグビーリパブリック

サクラセブンズ、リオ五輪切符獲得! 決勝でカザフスタンに走り勝つ。

2015.11.29
喜びを爆発させるサクラセブンズ。(撮影/松本かおり)

 オリンピックでの金メダルが夢。胸を張ってそう言える。その舞台に立てる資格を得たのだから。
 サクラセブンズがリオデジャネイロ五輪への出場を決めた。11月29日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたリオ五輪女子ラグビー アジア予選第2戦、日本大会の第2日。サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)はファイナルでカザフスタンに14-7で勝った。

 2時間前に5-7で敗れた相手は、やはりしぶとかった。パワーがあって高さもある。厄介だった。ラインアウトで苦しみ、長いキックでいっきに自陣に入り込まれる。攻めても守っても、前に出ないと押しつぶされそうだった。
 先手を取ったサクラセブンズは前半3分15秒、冨田真紀子の絡みで得たPKから速攻を仕掛ける。山口真理恵が右に大きく走り、中村知春へ。主将が左中間に走り込んだ。インターセプトされた後の先制トライは、攻守の切り替えのはやさが生んだものだった。

 前半を7-0で終えたサクラジャパン。しかし、試合内容は満足いくものではなかった。前戦同様ラインアウトでボールを確保できない。守ってもボールをつながれる。後半開始直後、40秒過ぎにはロングキックのチェイスから激しく攻められてトライ、コンバージョンで同点に追いつかれた。
 簡単ではなかった勝利への道。しかし、それでもサクラセブンズが扉をこじ開けられたのは、積み上げてきたものが相手を上回っていたからだ。後半に入って、PKから速攻を仕掛け始めた。少しずつサクラセブンズの流れになる。カザフスタンがブレイクダウンで戻れず、あるいは立っていられず反則をくり返す。そんな中での後半7分30秒過ぎ、小出深冬が決勝トライを決めた。これもPKから速攻を仕掛けた結果だった。
 走り勝った末の五輪切符獲得だった。

 多くのファンから大歓声を浴びた後の会見で、浅見敬子ヘッドコーチは「勝つ気持ちはうちの方が強かったと思う」と言った。
「少しでも前に出る、こぼれたボールに飛び込むシーンがいくつもあった」
 中村知春主将は、「五輪が絡む戦いでは何が起こるか分からない。相手も必死。カザフスタンからも気迫を感じました。だから、絶対に受けないで戦うつもりでした」と話した。
 そして、リオ五輪までの強化構想を問われて「スコッドの見直しは当然ある」と示唆したヘッドコーチの横でキャプテンは続けた。
「(出場を決めて)これからまた全員が(五輪やサクラセブンズ入りを)狙える場を作った。私たちは、それをやっただけだと思っています」
 スタートラインというゴールに到達した。喜びに浸る時間は短くていい。ここを目指してきたチームの歴史はいったん終わり、来年夏まで、世界で勝つための日々が始まる。

Exit mobile version