試合前日の記者会見で、こう言った。
「ドーベルマンのように追い回す。噛みつく。そんなタックルを」
冨田真紀子が、その言葉を実践した。
リオデジャネイロ五輪アジア予選・第2戦の東京大会。初日(11月28日)の3試合目で香港と対戦したサクラジャパン(女子セブンズ日本代表)が27-5と快勝した。一時は5-5と追いつかれる流れを、しつこく、激しいデイフェンスで断ち切った。
その先頭に立ったのが冨田だ。前半終盤、タックルしては立ち上がり、またタックル。12-5で終わりそうだった7分間の最後にボールを取り返す働きを見せ、桑井亜乃の貴重なトライに結びつけた。
17-5で迎えた後半。冨田はアタックでも貢献した。3分10秒、スクラムからの攻撃に鋭く加わりトライ(22-5)。チームは5分40秒に横尾千里がインゴール右スミに飛び込んで試合を締め括った。冨田は「初戦はいいテンポで戦えたが、2戦目、3戦目と勢いを変えるプレーが少なかった。流れを変えるプレーがしたかった」と話した。
初日を3戦全勝で終え、五輪にまた近づいたサクラセブンズ。2日目に向けて浅見ヘッドコーチは「気持ち良く(初日を)終えられたと言いたいところですが、ペナルティーもあったし、課題も多く出ました。香港にドライブで前に出られるなどディフェンスも甘いところがあった。アタックも、もっと丁寧にやりたい。明日の3試合を、またあらためて戦いたい」と話した。
中村知春主将も気を引き締めた。
「ディフェンスは1戦目(中国戦)はよかったけど、2戦目、3戦目と高くなった。もう少しアタックのテンポも上げたいし、ボールを回そうとしすぎでミスも出た。そこも直したい。(明日戦う)カザフスタン戦では、ボールを動かすことが大事。今日のことは今日でリセットして、明日、また最初から戦います」
2日目(11月29日)の戦いはスリランカ戦から始まる。そして、決戦のカザフスタン戦。両試合に勝てば、リオへの切符を手にすることになる。