鋭い加速で2トライを挙げた鈴木陽子。(撮影/松本かおり)
ほんの少し、ハンドリングと判断にミスがあった立ち上がり。しかし、チームはすぐに本来の姿を取り戻した。リオデジャネイロ五輪アジア予選・第2戦の東京大会。初日(11月28日)の2試合目でサクラジャパン(女子セブンズ日本代表)は39-0で圧勝した。グアムに突け入るスキを与えなかった。
先制トライは1分50秒。相手キックを受けたところから攻撃に転じる。最後は冨田真紀子が左タッチライン際を駆け抜けぬけた。3分45秒にはスクラムから出て球を小出深冬が手にする。自分の前にスペースがあるのを見つけるや、いっきに加速してインゴールへ。前半終了前には山口真理恵が長い距離を走って17-0とした。
後半立ち上がりにもトライを挙げた小出は言った。
「コンディションもいい。前に出て勝負できています。どんな相手でも、前へ出て継続するのが日本のラグビー」
後半2分30秒と5分50秒に見せた鈴木陽子の走り。4分40秒に兼松由香が決めたトライも、よく前を見て仕掛けたから生まれた。先発陣も途中出場組も、積極的に前に出ることで存在感を示した。
「全員がプレーできたのがよかった」
浅見敬子ヘッドコーチは、試合の出来を満点とは言わなかったが感じていた。
一人ひとりの五輪への思いとラグビーへの情熱が、チームを前へ走らせている。