攻守両面で効果的に動いた冨田真紀子。(撮影/松本かおり)
中国選手と並んでピッチに駆け込んだサクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)は、ふたり組を作った。各々、生タックルをくり返してキックオフを迎えた。大きな相手を前に出さない。決意の表れだった。
11月28日におこなわれたリオデジャネイロ五輪のアジア予選第2戦・日本大会、初日。初戦で中国と戦った日本は20-7と快勝して好スタートを切った。
先制点は4分20秒。中国の反則からPKを得たサクラセブンズは、左タッチに蹴り出す。ラインアウトからモールを押し込み、大黒田裕芽がインゴールに押さえた。
「エリアを意識して戦うこと」(浅見敬子ヘッドコーチ)
チームが「タックル」、「走る」とともに、もうひとつ掲げたプラン通りの得点シーンだった。
それでも試合の流れを決定づけたのは、戦略面より気迫だった。
先制機からしばらくして、冨田真紀子がビッグヒットで中国を倒す。周囲もしつこく守り、ノットリリース・ザ・ボールを誘う。前半終了のホーンが鳴る中、速攻を仕掛けて山口真理恵がトライ。10-0でハーフタイムを迎えた。
後半開始直後も蹴り込んだキックを勤勉にチェイスし、小出深冬の好タックルでPKを得る。速攻からまたも山口がトライラインを越え、勝負は決した(15-0)。
「懸けていた初戦に結果を出せてよかった。サクラセブンズのラグビーを出せましたが、もっとはやくプレーできる。6試合成長し続けたい」
浅見ヘッドコーチは、チームの秘める力を信じている。
2トライの山口もチームの好調さを話した。
「サクラセブンズの調子がいいとき、いいボールがまわってくる」
残る5試合が楽しみだ。