サントリーのSHフーリー・デュプレア(撮影:BBM)
<ラグビートップリーグ グループA 第2節>
サントリー 55-14 クボタ
(2015年11月21日/京都・西京極総合運動公園陸上競技場)
今季初出場のSHフーリー・デュプレアが交通整理。LO真壁伸弥主将いわく組織全体が「チームのベースをしっかりやろう」と呼吸を整えたことも相まって、サントリーは8トライと初白星を掴んだ。
前半18分にWTB江見翔太が、23分にはNO8ツイ ヘンドリックがインゴールを割った。SHとSOの周りに選手が連なるシェイプという陣形が、有機的に動いた。起点となったSHデュプレアは、接点から球を拾い上げる動作で相手との間を作り、勢いよく駆け込む味方へ優しくパスした。少しずつスペースをえぐった。
昨季終盤に怪我から復帰し連勝を呼び込んだ折は、「サントリーのラグビーができるよう手助けした」と話した南アフリカ代表の名指揮者。クラブの戦術に基づき筋道を立て、ラグビーという複雑な事象を自分なりの物語として進行できるのだ。
対するクボタのSH井上大介ゲーム主将は、「速さは後半20分に入ったSH流(大)の方があった」としつつ、こう続けた。
「サントリーさんのやりたいようにやられた。(SHデュプレアは)ゲームをわかっている」
勝者にも課題はある。ミスでチャンスを逃したり、反則を重ねて14失点を喫したり。アンディ・フレンド ヘッドコーチも「遂行力は劣った」と話す。一方、「ポジティブな点も多かった」とは、LO真壁主将だ。SHデュプレアとの連携でしばし前進し、「FW(ランナーやサポート役を担う)としてやりやすかった」と笑う。チームの型とその機能性を、少しずつ再確認している。
(文:向 風見也)