突進する豊田自動織機のバツベイ シオネ(撮影:高塩 隆)
<ラグビートップリーグ グループB 第1節>
豊田自動織機 24-17 NEC
(2015年11月14日/愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)
NECは優勢な局面を数多く作りながらも星を落とした。
ラインアウトではFL村田毅が相手のいない場所へボールを呼び込み、SH茂野海人が目の前の彼我の息づかいを踏まえてのパス、ハイパントで味方を落ち着かせた。日本代表のCTB田村優も、立ち位置の妙やパス技術で攻めをスムーズにした。
守ってはNO8スコット・ヒギンボッサムが激しさと機動力で魅せた。後半15分ごろには接点の球へ絡みつき、複数の相手をかき集める。何とか攻めを継続した豊田自動織機だが、次にパスをもらった選手は孤立。別の選手に2人がかりのタックルを食らい、ターンオーバーを許した。
が、NECのPR瀧澤直主将は「手応えと点数のギャップがあった」。
前半29分にはスクラムからの1次攻撃でCTBヴァカジョセフ ウィルソンに約50メートルの突破を許し、14-7とされた。3点リードで迎えた後半2分には、キックチェイスに走った選手の背後をWTB松井謙斗に大きく破られ、FLバツベイ シオネのトライを見届けた。19-17。
敵陣ゴール前右でラインアウトを得た後半25分の好機は、サポートに走った選手の立ち位置が「反則」と下された。4点差を返せず、逆に4分後、24-17とスコアを広げられた。PR瀧澤主将は言った。
「厳しいな。もったいないな」
かたや豊田自動織機側とすれば、この勝利が我慢の産物。泥臭く戦う好漢、LO松岡毅主将はこうだ。
「反則をしないよう我慢して守れた。相手のプレーにもリアクションできた。食らいついていきます」
(文:向 風見也)