国内最高峰のラグビートップリーグ(TL)で2連覇中のパナソニックは6日、トップキュウシュウAの宗像サニックスとの練習試合で39-19と勝利。ワールドカップ(W杯)イングランド大会に参加した日本代表勢の5人は、帰国後初となる実戦で先発出場を果たした。
後半9分までグラウンドに立ったHO堀江翔太主将は、「アタックもディフェンスも完璧じゃない」。球を持ち込んでからのミスや主力組が退いた後の連携の不備などを鑑みてか、猛省した。「注目されてどうのこうの…は意識しないで、チームをどうしてゆくかを考えている」。初めて一緒にプレーするSOヘイデン・パーカーのキック力を確認する意味も込め、相手の反則時にペナルティゴールを選択。トレーニングマッチでも、実戦さながらの試合運びを展開していた。最後はこう締める。
「次はもっと良くなれるように、100パーセントの準備を。(課題は)言い出したらきりがない。すべてをレベルアップしたい。いいシーズンにしたいですね」
他の4選手は前半のみプレーした。持ち味の突破力をアピールしたNO8ホラニ龍コリニアシは「久しぶりの試合は、やっぱり疲れますね。代表と違ったラグビーをするのですが、少しずつ慣れていっています」と、SH田中史朗は「楽しかったですね。ただ、自分自身、まだまだ足りないと感じます。ディフェンス、パスの判断、速さ…全ての面ですね」と向上心を覗かせた。
W杯で日本代表史上初の3勝を挙げたことで、HO堀江主将やSH田中らは多くのテレビ番組に出演した。同じくメディア露出を重ねたWTB山田章仁は、「普段は経験できない貴重な経験ができました」と話した。
「(10月下旬の合流前)最後にパナソニックの皆と一緒に練習したのは…9か月前ですね(南半球最高峰スーパーラグビーのウェスタン・フォース入りも影響した)。きょうは少しでもアピールしたかった。幸運なことにいまは注目してもらっている。例年通りにやっていけばよくなるかな、と」
6日には動物番組の収録でカンガルーと走ったというPR稲垣啓太は、「いままでとは違う忙しさにも対応しなきゃいけないし、プレーでも強い姿をお見せできるような練習も必要。そのバランスが取れている。我々はテレビに出ていても、芸能人ではなくてアスリート。ラグビーが第一です」と話した。
「(この日は)まだ(チームの動きを)頭で考えながらやっているところ。もう少し落とし込んでいければ」
パナソニックは13日、今季のTL開幕戦ではサントリーと激突する。ロビー・ディーンズ監督は「プレシーズンリーグ(9〜10月)を辞退した時の問題は完璧に解決したわけではない」とクラブ内のけが人の多さを憂いているが、フル出場した新人のCTB権裕人は「(代表組は)ジャパンで学んだよいところをこちらに落とし込もうとしてくれている」と、チーム力の高まりを感じている。