ラグビーリパブリック

五郎丸のレッズ入りが正式発表! 静岡の次はブリスベンを熱くする!

2015.11.04
ワールドカップでの活躍で国民的スターとなった五郎丸歩(撮影:松本かおり)

 ラグビーワールドカップで活躍した日本代表FB五郎丸歩(29歳)のレッズ入りが正式に発表された。11月4日、オーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンを本拠地とするレッズが公式サイトで明らかにし、所属しているヤマハ発動機ジュビロもプレスリリースを出した。本人はあす5日、自身の海外挑戦について会見をおこなう。ヤマハの人気選手でもある五郎丸は、トップリーグシーズン終了後の2月上旬にレッズに合流し、2月26日から8月6日(レギュラーシーズンは7月16日)まで南半球を中心におこなわれるスーパーラグビーに挑む。

 日本のラグビー人気復活に大きく貢献したひとりだ。甘いマスクと珍しい苗字、ゴールキックを蹴る前の独特のポーズだけが彼の魅力ではない。歴史的快挙となった南アフリカ戦では、正確なキックと、年間最優秀トライ賞にノミネートされたチームアタックのフィニッシュで24得点を挙げ、34-32の劇的勝利に貢献した。第2戦のスコットランド戦ではトライセービングのスーパータックルを披露。サモア戦とアメリカ戦では最も活躍した選手に贈られるマン・オブ・ザマッチ賞に選ばれ、男泣きも、誠実なコメントも人々の心をつかんだ。
 ワールドカップで58得点はプールステージ全体で2位。大会終了後、世界のトップスターたちにまじってワールドカップドリームチームのひとりに選ばれた。

 そして、海を渡り世界最高峰リーグに挑戦する時が来た。

 2011年以来のタイトル奪還をめざすレッズには日本代表のFL/NO8ツイ ヘンドリック(サントリー)も在籍しており、楽しみなメンバーは多い。しかし、4年に一度のワールドカップが終わり、新たなチャレンジを求めたベテランのスターたちを大勢失った。バックスでは、オーストラリア代表のSHウィル・ゲニアがスタッド・フランセ(フランス)に移籍し、同じくワールドカップの銀メダルを獲得したSOクウェイド・クーパーも7人制オーストラリア代表としてのオリンピック出場をめざしながらトゥーロン(フランス)でプレーする決心をした。快足WTBラッシー・ターナーもトゥーロンに加入し、ワールドカップスコッド入りを逃した万能BKのジェームズ・オコナーも新天地を求めた。
 レッズのFB候補には元ラグビーリーグ(13人制)スターのカーマイケル・ハントがおり、ハントは移籍1年目の2015年シーズンに期待を裏切ったため、来季は雪辱に燃える。バックスの選手層は薄くなったとはいえ、テストマッチ56キャップで通算708得点をマークしている五郎丸のレギュラーは約束されたわけではない。

 しかし、日本の国民的ヒーローになった五郎丸にレッズ側は大いに期待している。元オーストラリア代表で現在はレッズのゼネラルマネージャーを務めるダニエル・ハーバート氏は「アユムはワールドカップで際立ったフルバックのひとりと高評価されたが、重要なことは、彼は長年、トップリーグのヤマハジュビロで一貫してハイレベルのパフォーマンスを見せてきたことだ」と彼の実力を認める。「レッズのアシスタントコーチのニック・スタイルズとマット・オコナーは日本でアユムに指導したことがあり、相手選手を困らせるプレーヤーだと言っていた。彼の最近のゴールキックの成功率は80%以上で、さらなる向上を期待している。彼は2016年に我々のアウトサイドバックスの層を厚くするクオリティープレーヤーだ」と語った。

 ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカのトップクラブでおこなわれてきたスーパーラグビーには、来年から日本チーム(サンウルブズ)とアルゼンチンチーム(ワールドカップ4強入りしたアルゼンチン代表のメンバーが多数スコッド入り)も参加することになっており、五郎丸とツイが在籍するレッズは5月21日にブリスベンのサンコープスタジアムでサンウルブズと対戦する。

(レッズ公式サイトより)
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