九州学生1部リーグの決勝リーグ最終節が11月3日に福岡・春日公園球技場でおこなわれ、優勝に王手をかけていた福岡工業大が48-12で日本文理大を圧倒し、5連覇を達成した。
福工大は9月の予選リーグで福岡大と九州共立大に敗れ、A・Bブロック入替戦を経験していたが、これを機に選手の意識は変わってチームは結束し、故障者が戦列復帰したこともあって決勝リーグではライバルに連勝。最終戦は余裕がある状況で、出場が少ない選手にチャンスを与え経験を積ませた。
5大会連続24回目の全国大学選手権大会出場を決めた福工大だが、過去2シーズンはセカンドステージ進出を逃している。今年度は関東大学リーグ戦1部で5位になったチームがファーストステージから参戦することになっており、チームの底上げとディフェンスが福工大の課題である。
「全国レベルでは23人だけじゃ戦えない。若手にチャンスを与えてるんですけど、なかなかかみ合わないんですよね。今日は気持ちの緩さもあった」と宮浦成敏監督。タイトファイブが成長し、セットピースは昨年より安定しているが、チーム全体としては体が小さく、ボールをできるだけ動かしてバックスリーでトライを獲るような展開ラグビーをめざす。「ボールポゼッションをあげて、しっかりコントロールできないと全国大会では苦戦すると思う。そのへんの精度を高め、ディフェンス力も伸ばしたい。関東リーグ5位はどのチームが来ても自分たちよりパワーがあるし展開力もあると思う。なので、どうしてもディフェンス力を上げていかないと」。
キーマンは、1年生のときから試合に出場し、経験、ゲームコントロール力、リーダーシップを兼ね備えて宮浦監督が「大黒柱」と信頼を寄せるキャプテンのSH河嶋凜太郎 。今季九州リーグ最終戦は手の親指を負傷していたこともあってプレーしなかったが、ミスの多かった試合をタッチライン外から見守り「全然喜べない」と厳しい表情だった河嶋キャプテンがチームを引き締め直すはずだ。
「ワールドカップで刺激を受けました。体の小さいジャパンがあれだけのことをやった。自分たちも体格では劣るかもしれないですけど、頑張ろうと。九州(の大学)はこれだけやれる、というのを見せたいです」
第52回全国大学選手権大会は11月22日に開幕する。九州代表となった福岡工業大のほかに、東北・北海道代表の切符は八戸学院大が獲得している。そして関東大学リーグ戦1部5位のチームを加えた3校で総当たり戦をおこない、1位になったチームがセカンドステージへの出場権を得る。