明大は現在、関東大学ラグビー対抗戦Aで4連勝中。大学選手権6連覇中の帝京大と並んでいる。11月1日にはここまで3勝1敗の慶大と激突(東京・秩父宮ラグビー場)。5勝目を狙う。
「(人生で)初めて主将をやっているので、何が正解かはわからない。チームで1つになろうと言っているけど、それを実現するのは決して簡単ではない。ただ、周りのサポートを借りながら上手くやれているかなと思います」
8月、長野・菅平での合宿中にこう語っていたのは、HO中村駿太主将。身長177センチ、体重106キロと決して大柄ではないが、運動量とゲーム理解度を長所とする。
桐蔭学園高時代は1年時に全国高校ラグビー大会で準優勝し、2年時は優勝(東福岡高と同時)も、3年時は8強止まりだった。「負けるのと勝つのでは、周りの目が全然、違います。試合が終わった後のメディアのインタビューの数とかも含め…。日本一、なりたいですね」と、ラストイヤーへの思いを明かす。
「絶対的な強みを作りたい。チームの雰囲気が悪い時に立ち返る、起点を」
具体的には。
「スクラムですね」
夏場は国内最高峰トップリーグのチームへ出稽古に行き、スクラムを組みまくった。「いい形で組めることもあった。押せているシーンもありましたし、自信になりました」と胸を張るが、辛苦も味わった。神戸製鋼とのセッションでは「むっちゃ、重かった。押せないとわかる感じでした」。南アフリカ代表経験のあるLOアンドリース・ベッカーの重さには、面食らった。
さらには複数のチームとぶつかるなかで、「自分のHOとしての技術のなさも痛感できた」とも話す。自らの肩の角度を変えて両脇のPRの出方を調節するなど、力勝負に収まらぬ駆け引きで相手のうまさを感じたという。
「(最前列の3人同士の)連動が、自分たちにはまだまだ足りない点だとわかりました」
慶大戦後の15日には、帝京大とぶつかる。チャレンジャーが勝利するには、セットプレーの安定が必須とされる。苦い経験を活かし、ビッグスクラムを組みたい。